暗く憂鬱な経済環境を示す報告ばかりが聞かれるなか、感謝祭翌日(多くの小売業者が黒字に転じることからブラックフライデーとも言う)の米国時間11月28日は比較的明るい光の感じられる1日となった。
ShopperTrakによると、ブラックフライデーにおける小売販売の売上高は、米国全体で2007年の同日から3%増加し、暫定で推計106億ドルに達したという(ShopperTrakは、家電製品、スポーツ用品、服飾、雑貨類など広範なカテゴリからこの推計値を算出している)。
また、比較ショッピングサイトのPriceGrabber.comでは、同日のオンラインショッピングが、2007年と比較してさらに大きな伸びを見せ、トラフィックは前年同日比で11%増加した。
PriceGrabberとオンライン小売り大手のeBayがまとめた調査によると、この日最も売れたのは任天堂の「Wii」だったという。eBayは、同名サイトのeBay.comのほか、PayPalおよびShopping.comを含む他のeBay傘下サイトのデータに基づいて調査している。
eBayでは、最も検索回数の多かったのが任天堂のゲーム機Wiiで、その次に同じく任天堂の「Wii Fit」が続いた。同サイトでWiiが検索されたのは3171回で、平均販売価格は349ドルだった。Wii Fitの検索回数は1059回で、平均販売価格は140ドルとなった。
市場ウォッチャーらの指摘によると、2008年は厳しい経済の中、不安を抱えた業者が幅広い商品で値引きをし、それにオンラインショッパーや消費者が誘導された可能性が高いという。
「消費者は、人気の高い家電製品の猛烈な宣伝と値下げに反応している」と、PriceGrabberの社長Ron LaPierre氏は声明で述べている。
PriceGrabberのまとめた調査では、ブラックフライデーにおける人気商品トップ10は以下のとおりだった。トップ10のうち9商品までが家電製品で、1つだけ今流行のUGG Australiaのブーツが入っている。
PriceGrabberの調べでは、家電製品のカテゴリで、2007年のブラックフライデーと比べて最も売り上げが伸びたのはBlu-ray/HD-DVDプレーヤーで、147%増加した。第2位はヘッドホンで103%増を記録した(比較のため、他のカテゴリで伸びの大きかったものを挙げると、女性用のナイトウェアおよびホームウェアが415%増、女性用のブーツが203%増で、腕時計が202%増だった)。
eBayのShopping.comでは、カーナビが9分に1台、MP3プレーヤーが11分に1台の割合で売れたという。eBay.comでは、同カテゴリで最も人気の高かったのはGarminのカーナビ「nuvi」シリーズと、Appleの音楽プレーヤー「iPod touch」だった。
ブラックフライデーはかなりの売り上げが確保できたが、この勢いが今ホリデーシーズンいっぱい続くと期待する向きはなさそうだ。
ShopperTrakの共同創設者、Bill Martin氏は声明でこう述べた。「小売業者にとっては勇気づけられるスタートだったが、こうした大幅な値引きがブラックフライデーの週末以降も続くという保証はなく、そうなれば支出も鈍化するかもしれない。さらに、年末商戦期間は、2007年の32日に比べて2008年は27日しかなく、優柔不断な消費者を取り込める可能性もあるが、(期間が減ったことが)売り上げの減少につながるだろう」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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