東芝は液晶テレビ「REGZA」に関して、直近の売れ行き、シェア動向をまとめた。国内市場においては、直近2カ月でシェア2位、HDD搭載液晶テレビではシェアトップを獲得しているという。
テレビ事業部事業部長の大角正明氏は「薄型テレビの世界需要は、2008年度に1億台と見られていたが、(経済影響を受け)ここへきて500万台程度落ち込み、2008年度は9500万台と見られている」と厳しい市場環境を説明した。
しかし、東芝のテレビ事業は2008年に800万台市場へと伸長。台数シェアも9月には液晶テレビ全体の17.5%で2位となる。「ここにフォーカスをおいて取り組んできた」(大角氏)とする26インチ以上のクラスでは同21.8%と、3位に大きく差をつけた状態でシェア2位を獲得したという。
こうした急成長の理由を東芝では「高画質」「テレビに録画」「高コストパフォーマンス」な商品特徴にあると分析しており、中でも2005年から商品化した録画機能に関しては、2008年秋冬モデルで20モデル中15モデルが録画対応機になるまで浸透したとする。
「10月以前は広告宣伝にあまりお金をかけられなかったが、口コミで(商品認知を)がんばった。また、(REGZAという)ものがよくわかっているユーザーが多かったのではないだろうか。『調べて選べばREGZA』が確立できたと思う」(大角氏)と口コミによる話題性が他社を大きく上回ったと報告した。
しかし金融危機の影響を受け、9月以降の市場環境に対しては「国内市場は重要だが、比率で見ると8割が海外。グローバルな事業展開をすることで、規模を確保していきたい」(大角氏)と話す。
テレビ事業の黒字化に話が及ぶと「2008年4月から9月は若干の黒字化となった。これにより2007年度下期から2008年度上期の12カ月間黒字化できたこととなる。簡単にはできないが、2008年度も黒字化を計画していきたい」とした。
続いて、福山雅治氏をキャラクターに起用した10月以降のプロモーション展開について、テレビ事業部日本部部長の岡田淳氏は「2006年のREGZAブランド立ち上げ以来、画質、録画、ネットワークとこだわり層に高い評価を受けてきたが、国内黒字化計画のためにも一般層へアピールしていきたい」と狙いを話す。
テレビCMの大量投下のほか、交通、屋外広告も展開した結果「ブランド認知率は2007年末の42%から約20%上昇し、63%になった」(岡田氏)という。
これから年末に向けては、テレビCM第2弾を放映するほか、量販店頭イベントなども実施していくとのこと。「広告だけではだめで、量販店との連動を強化したい。超解像やエコなど、商品性の高さもアピールすることで、年末には女性層を取り込みたい」(岡田氏)と意欲を見せる。こうした取り組みにより、同社では2008年末にREGZAブランド認知率80%を目標にしている。
今後のシェアに関しては、「2010年度、グローバル液晶テレビシェア10%以上、2008年度下期国内テレビ市場シェア20%、国内26型以上液晶テレビ市場シェア25%以上に引き続きチャレンジしていく」(大角氏)とまとめた。
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