東芝、「Cell」技術を応用したノートPCを2008年中にリリースへ

文:Brooke Crothers(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、高森郁哉2008年05月12日 13時17分

 東芝が、高性能プロセッサ「Cell」をベースにしたチップを搭載するノートPCを2008年中にリリースする見通しだ。これは、ソニーが「PLAYSTATION」で採用しているのと同じプロセッサだ。

 東芝のノートPC「Qosmio G40」は、「Cell Broadband Engine」(Cell/B.E.)プロセッサをベースにしたチップ「SpursEngine SE1000」を搭載する予定だ。Cell/B.E.は、ソニーの「PLAYSTATION 3」(PS3)にも搭載されている。

 Cell/B.E.は、東芝がIBMおよびソニーと共同で開発したマルチコアチップアーキテクチャだ。これはIBMの「Power」アーキテクチャから派生したもので、PowerアーキテクチャはかつてAppleのノート型およびデスクトップ型のコンピュータにも採用されていた。現在IBMは、ブレードサーバの製品ラインにCellプロセッサを採用している。

 SE1000のサンプル出荷は日本時間4月8日に始まっている。東芝は、今後3年間で600万ユニットの販売を見込んでいると述べた。

 SpursEngineの数ある機能のうち、特筆すべきは、MPEG-2およびH.264の高精細ビデオストリームのエンコードとデコードが可能なことだ。チップ内にはプロセッサコアを4基搭載し、それぞれ処理速度は1.5GHzだが、一方で消費電力は10ワットから20ワットという比較的低いレベルに抑えられる。

 そのほか、SpursEngineの特徴をいくつか挙げると、マルチメディアエンジンのピーク性能は48ギガFLOPS、すなわちプロセッサコア1基あたり12ギガFLOPSを誇る(1ギガFLOPSは、1秒間に10億回の浮動小数点演算を実行する能力)。各コアは、256Kバイトのローカルストレージを備える。回路基板は、「PCI-Express Base Specification Revision 1.1」をサポートしている。

 東芝はまた、Cellプロセッサを搭載するテレビの発売も計画している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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