Sony Online Entertainment(SOE)は、「EverQuest II」の一部のプレーヤーがゲーム内の資産を本物の通貨で取引できるシステムを3年間運用してきたが、そのシステムを新しいパートナーであるLiver Gamerに譲渡する予定である。
「EverQuest」「EverQuest II」「Star Wars Galaxies」などの画期的なオンラインゲームを運営するゲームパブリッシャーのSOEは2005年、プレーヤーによる本物の通貨を使ったゲーム内の資産の売買に対する業界の従来のアプローチを180度変える実験を試みることに決めた。
従来は、このような売買は不法かつ禁止事項であり、売買しているプレーヤーを発見したらアクセス禁止にすると、声を大にして叫ぶのが業界の規範となっていた。言うまでもなく、何千人というプレーヤーは警告を無視してeBay、IGE.comなどのサイトで取引を実行していたが、たいていはそれによる悪影響はほとんどあるいはまったくなかった。
しかし、SOEは2005年に「Station Exchange」サービスを導入して、いわゆる「リアルマネートレード(RMT)」を少なくとも一時的に容認し、その後の成り行きを見守ることにした。SOEではこのような取引を2台のEverQuest IIサーバ上で実行できるようにし、それらのサーバを選択するか否かはプレーヤーに委ねられた。
SOEはサービス開始後の1年間で約25万ドルの利益を上げ(しかもコストはほとんどゼロ)、SOEの保護外で実行された不正な取引で金をだまし取られたとプレーヤーからカスタマーサービスに定期的に寄せられていたという苦情も減ったと述べている。
それ以来、Station Exchangeは大きな波風を立てることもなく、また消えてなくなることもなく活況を呈している。しかし、大部分のオンラインゲーム運営会社は手を出さないでいる。大規模なユーザー数をかかえる多人数参加型オンラインゲーム(MMO)の大手パブリッシャーでSOEに追随した企業はないが、Linden Labの「Second Life」(EverQuest IIなどとはまったく違う種類の仮想世界)はかなり以前からリアルマネートレードを容認している。
現在、SOEはStation Exchangeの運営を、2007年に起業した新興企業のLive Gamerに譲渡しようとしている。この移行は3月末までに完了すると見られており、その結果として誕生するサービス(「Live Gamer Exchange」という名称になる予定)は完全にウェブベースになる見込み。
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