Sony Online Entertainment(SOE)は米国時間20日、マルチプレイヤーゲームの参加者らがキャラクターやアイテムなどを売買できるオンラインマーケットプレイスを開設する計画であると発表した。今までキャラクターやアイテムの売買を厳しく取り締まってきた同社にとって、これは大きな方針転換といえる。
SOEによると、オンラインマーケットプレイスの名称は「Station Exchange」になるという。同社がStation Exchangeを設ける背景には、キャラクターやアイテムの裏取引が拡大しているという経緯がある。
Station Exchangeは6月後半にスタートする予定。まずは「EverQuest II」の加入者を対象に、特定のキャラクターやアイテム、ゲームで獲得したコインなどを購入/販売/交換できるサービスを提供する。
これまでSOEはゲームメーカー各社の中でも、このような売買行為を最も厳しく取り締まってきた会社の1社だ。同社は、EverQuestシリーズに関連する全ての素材の権利は自社に帰属しているとまで主張している。またSOEは、eBayやYahooなどのオークションサイトにおけるEverQuest関連製品の販売を何度も阻止してきたうえ、これらのオークションサイトに対し、EverQuest関連製品を取り扱わないよう要請してきた。同社は、オンラインアイテムの交換に特化したサイトを提訴したこともある。
ゲーム愛好家がアイテムの取引に関心を寄せる理由はいくつかある。長時間かけてキャラクターを作り上げたり、武器やコインなどのアイテムを手に入れた人にとっては、これまでの作業の対価を得られるという魅力がある。ビギナーにとっては、実際に時間をかけて作業をすることなく、ゲームを有利に進めるためのアイテムを入手できるという利点がある。
SOEは、Station Exchangeの開設により、アンダーグラウンド市場での取引が抑制され、顧客を詐欺行為から保護できると述べる。キャラクターやアイテムの取引量は増加傾向にあり、それとともに、犯罪に巻き込まれて法外な額を支払わされる人が増えているという。こうした非公認サイトと違って、Station Exchange上の取引は安全に行われることになる。
「オンラインゲームのアイテムを取り扱う、非公認の二次流通市場が急速に拡大している。われわれの顧客のなかにも、これに参加する人が増えていることを認識している」とSOEの社長John Smedleyは声明のなかで述べている。「多くの顧客から寄せられるニーズに応えるだけでなく、(Station Exchangeを通じて)オンラインゲーム販売の標準を確立したい」(Smedley)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス