ニューヨーク発--筆者が米国時間6月25日午後にニューヨーク・マンハッタンの五番街にあるApple Storeを訪れたときは、まだiPhone待ちの行列がなかった。ところが、本当は午前5時から並んでいた人がいたというのである。Apple Storeの警備員が、(最寄りの地下鉄の駅である)59丁目方面からApple Storeにくる人の目に触れないよう、iPhone待ちの人々をビルの脇に誘導したから、分からなかったようである。Craigslistのユーザーたちは、早くても27日に行列に並べばよいだろうと書いていたので、6月25日午後時点で誰も並んでなくても不思議に思わなかったのである。
ところが、午後10時を回った頃にTwitterのフィードをチェックすると、既に列ができ始めているという書き込みがあるではないか。あわてて地下鉄に飛び乗り、59丁目に駆けつけた。
すると、男性2人が(実際、列に並んでいる人は3人いるはずだったが、Packerさんの友人は筆者が訪れたとき、列を離れていた)列に並んでいた。ニューヨーク州ハンティングトンから来た元ハイウェイ保守作業員のPackerさんは、最新のガジェットを狙って行列に並んでいる人によく見られるタイプ。iPhoneを買う理由としてPackerさんは、自分がAppleファンであること、そしてiPhoneが市場で最もホットな商品であることを挙げた。PackerさんはeBayへの出品は全く考えておらず、手に入れた端末は自分の手元に置くつもりだという。Packerさんは「行列」のベテランでもあり、2006年11月にはロングアイランドのモールRoosevelt Fieldで「PLAYSTATION 3」の行列に並んでいる。今回同氏がマンハッタンを選んだのは、「ショッピングモールでは警備員が長時間の行列を許してくれないことを、PLAYSTATIONのときに学んだ」からという。てPackerさんは、今週の出来事を記録するブログFirst in Line for iPhone(「iPhone待ちの行列の一番前に並んで」の意)を開設している。
一方のClaymanさんは、いかにもApple製品待ちの行列で見かけるようなタイプだ。シカゴ大学を卒業したばかりの同氏は、やせ形で物腰が柔らかく、Genius Barの担当者がかけていそうな黒縁メガネをかけている。面白いのは、Claymanさんの目的がiPhoneを買うことではないことだ。Claymanさんは、就職前にニューヨークのことを多少知っておきたいと考えてこの地にやってきた。Claymanさんはこの体験をブログthe iphone adventureにつづっている。「両親に話したら気が狂ったと思われた」と語り、購入したiPhoneはすぐに売却して、Taproot Foundationにお金を寄付すると述べる。
近くにはホットドッグスタンドがある。またMr. Softeeのトラックも近くに来ている。24時間営業のこのApple Storeには、電子メールにアクセスできるコンピュータはもちろん、バスルームもあるという(Packerさんの情報によると、Apple StoreのSOHO店の方にはこれがないそうだ)。さらに、数ブロックも歩けばStarbucksがある。PackerさんもClaymanさんも、並んでいる間の寄付を歓迎するという。Packerさんはこれを食費に充て(寄付金を食費に充てるほどお金がないのに600ドルのiPhoneを購入して大丈夫かと思ってしまうが)、Clayman氏はTaproot Foundationへの寄付金に追加するという。
五番街にあるホットドッグスタンドの近くには、長蛇の列が出来たときのために金属製のバリケードが用意されている。
現在iPhoneの行列に並んでいる人々や、数日中に必然的に並ぶことになる人々には、暑さ(26日の最高気温は摂氏30度を超える)と(26日と27日の天気予報によれば)雷雨が待ち受けている。金属製のバリケード近くに並ぶことを考えると、雷は特に心配である。天候にどう立ち向かうつもりか2人に尋ねると、「何とかなるさ」という回答が返ってきた。
その翌日の午後には、列に並ぶ人が6人に増えていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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