ソニーや本田技研工業などがこれまでに発表したいわゆる「コンパニオン型ロボット」にはある共通点がある。それは、どれもあまり売れていないということだ。
米国の新興企業、Ugobeは、より低価格で多才になった「Pleo」を2007年に発売し、こうした現状を変えたいと考えている。2007年の第2四半期に登場する恐竜型ロボットのPleoは、周囲の状況に「感情で」反応する。
優しく語りかけてやると、Pleoは打てば響くように反応し、しっぽを振って握手を求めてくる。そっけない態度をとっていると、背を丸め、牛のような鳴き声を出したり、しっぽを悲しげに動かすなどして、元気のない様子を見せる。Pleoは喜びや攻撃性を表現できるほか、あくび、ため息、匂いをかぐ、鼻をすする、いびき、せき、しゃっくり、くしゃみの動作が可能だ。
Pleoは鼻の穴に搭載したカメラで「見る」こともできる。また、足や皮膚の下にある複数のセンサで、触られると反応する。言葉そのものは理解できないが、声の調子を認識して反応する。
Ugobeの最高経営責任者(CEO)であるBob Christopher氏はサンフランシスコにあるCNET Networks本社で行われたインタビューで「おもちゃというより、まるで生き物のように思えてくるかもしれない」と語った。「われわれが行っているのは、ある意味、ロボットに人の心を読む力を取り戻させることとも言える」(Christopher氏)
これまで、抱きしめたくなるほどかわいいロボットたちは、あまりに早く、悲惨な最期を迎えてきた。鳴り物入りで登場したソニーの「AIBO」にしても、7年間の販売期間で約15万体しか売れなかった。さまざまな芸ができる少年型ロボットの「QRIO」も市販されることはなかった。松下電器産業はペット型ロボットを発表したが、開発は打ち切られ、現在は入院患者の介助を行うロボットや、腕に損傷を受けた人を助けるロボットの商品化を検討している。
Pleoはいくつかの点で、これまでのコンパニオン型ロボットの試みとは異なっている。1つ目は250ドル前後という価格だ。AIBOが約1900ドルで販売されたのに対し、Pleoの価格は、AIBOよりも売れた既存のロボット2製品--WowWeeの「Robosapien」(99ドル)や、「Roomba」をはじめとするiRobotのロボット掃除機(99〜400ドル)--に近いものになっている。Pleoの発売時期は当初の予定より少し遅れ、2007年の第2四半期となる見込みだ(Ugobeはすでに2006年の「DEMO 2006」カンファレンスでPleoを披露している)。
2つ目として、Ugobeの目指すものが、単なる歩いたり話したりするおもちゃの販売にとどまらない点が挙げられる。同社は開発用キットを発表し、ソースコードを公開する予定だ。そうなれば、PleoはLEGOの「Mindstorms NXT」やRadioShackのロボット作成キットのようにカスタマイズ可能になる。購入者は「性格モジュール」をダウンロードし、Pleoがさまざまな刺激にどう反応するかを試せるようになるわけだ。
Christopher氏によるとPleoには「400種類の動作が組み込んである」という。購入者は、たとえば「空腹」や「おびえ」といったモジュールを組み入れ、それぞれの状況下で鼻先に差し出された手にPleoがどう反応するかを検証できる。その後、飼い主が、怒りや苛立ちなどに性格モジュールの特性を変更することも可能とみられている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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