カリフォルニア州ハリウッド発--Microsoftは、スプレッドシートだけでなくロックも得意であることを証明したいようだ。
同社は、Apple ComputerのMac対PCのパロディー広告で堅苦しいサラリーマンとして登場するが、「Zune」デジタル音楽プレーヤーではセンスの良い業界人的なイメージ作りに懸命だ。だが問題は、Microsoftがその退屈なイメージをぬぐい去れるかどうかだ。
米国時間11月9日、Led ZeppelinやThe Doorsがかつてスポットを浴びたコンサート会場近くで報道陣向けのイベントが開催された。だが、半透明のカーテンとキャンドルの明かりとは対照的にZuneは、パンクロックのコンサートにツイードのスーツを来て現れた観客のように情けなく映った。
iPodを真似てはいるものの、かっこ悪く、セクシーとは言い難いこのZuneは、Microsoftの音楽ビジネス進出に対する最も重要な問題を浮き彫りにしている。Microsoftは、Apple Computerと同社最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏からユーザーを奪えるほど、音楽ファンと波長が合うのだろうか?
Microsoftが戦っているのは、世界有数のマーケッターであり、ブランド確立の専門家であるJobs氏だ。同氏は、消費者のニーズを理解できる有数の人物との評価を得ている。それは、iPodのスクロールホイールに代表されるAppleの巧妙な機能性や、同社の各種プレーヤーの洗練されたデザインを見れば一目で分かるだろう。これらすべてを用いて、Appleは70%のマーケットシェアを獲得し、世界中の若者の支持を集めたのだ。
そのiPodに対抗するため、米国時間11月14日に発売予定のZuneでは、Microsoftも自社技術の結集以上のことをするつもりだ。ある意味において同社は、自社の規模と成熟度が負担になる側面があることは理解している。そこで、Zune事業部内では新興企業の考え方を奨励していると、ZuneのマーケティングゼネラルマネージャーChris Stephenson氏は語っている。
Stephenson氏は、「われわれは、『バンドのような考え方をしよう』と話し合っている。つまり、音楽をリスナーにとって良くする方法をクリエイティブに考えるミュージシャンのような思考だ」と語っている。
41歳のStephenson氏は音楽業界の経験が長いベテラン幹部で、これまでMTVに在籍していた。同氏は、自分のチームが何をもって成功とするのかを説明した。
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