ソニー、白いPSPの広告で「人種差別的」と非難される

文:Brendan Sinclair(GameSpot) 翻訳校正:矢倉美登里、高森郁哉2006年07月10日 19時52分

 セラミックホワイト色の新しい「PlayStation Portable(PSP)」を売り込むために、ソニーがオランダで出した広告が、国際的な騒動を巻き起こしている。「DigitalBattle」に1枚の画像が掲載された米国時間7月4日以降、ゲーム関連のウェブサイトや掲示板はこの広告をめぐる議論で盛り上がり、カリフォルニア州議会のLeland Yee議員(サンフランシスコ選出、民主党)と全国有色人種地位向上協会(NAACP)のサンノゼ/シリコンバレー支部がこの問題について所感を表明した。

 「人種問題を招く広告によって、ソニーは新たな低みに身を落とす」と題した声明の中で、Yee議員は、白人女性が威嚇するように黒人女性の顔をつかむ写真を使った広告を流すというソニーの決定に「深く失望した」と述べた。ソニーはこれまで、広告は白人女性を使って多様な手法でPSPのシステムを宣伝する一連の広告の1つで、新旧PSPの色を対比させるのが狙いであり、「他のいかなるメッセージも目的もない」と説明している。

 「米国の内外を問わず、ビデオゲーム機が白の新色で登場することを伝えるのに肌の色の違いを利用すれば、せいぜい『無神経』、最悪の場合で『人種差別主義』と解釈されかねない」と、Yee議員は指摘する。

 NAACPのサンノゼ/シリコンバレー支部代表であるRick Callender氏も、Yee議員と同様に不快感を表明している。

 「(白人が黒人に扮した演芸)ミンストレルショーで黒人を茶化して描いた時代はとうの昔に終わった。無理もない」と、Callender氏は述べている。「ミンストレルショーは、歴史上の汚点とも言うべきものだった。この広告はこうした時代に通じるものがある。さらに受け入れがたいのは、一部の企業が依然として、人種問題を招きかねないイメージを広告媒体に使っても大丈夫だと考えていることだ。ソニーの最新の広告は、紋切り型で侮辱的な有色人種のイメージが製品を売る手段として受け入れられていた時代の忌まわしい記憶を呼びさます。ソニーは直ちに謝罪し、こういった時代遅れの広告戦略を中止すべきだ」(Callender氏)

 Yee議員がゲーム業界の動きに異議を唱えるのは今回が初めてではない。同議員は、暴力的ゲームを規制するカリフォルニア州法(現在係争中)の起草者だ。また、人気ゲーム「Grand Theft Auto:San Andreas」にわいせつな内容を追加する改造機能「Hot Coffee」をめぐる騒動を受けて、早い時期から同ゲームのレーティングの見直しを求めた1人でもある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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