ゲームソフトの審査を行なう第三者機関Entertainment Software Ratings Board(ESRB)が、カリフォルニア州議会議員からの非難を受け、人気ゲーム「Grand Theft Auto:San Andreas」のなかに露骨な性描写が含まれているか否かを判断するため、同ゲームの調査を開始すると発表した。
ESRBのPatricia Vance議長は、ESRBがいわゆる「Hot Coffee」と呼ばれる改造機能を取り巻く状況についての調査を開始したと発表した。この「Hot Coffee」をSan AndreasのソフトがセットされたPCにインストールすると、数種類のミニゲームがプレー可能になり、プレイヤーはこれらのゲームの中で主人公にわいせつ行為をさせるよう促されるという。
ESRBは、この改造機能によって元々存在していたコードのロックが解除されているのか、あるいは純粋にサードパーティによる創作なのかを調査する。ESRBの最終的な目的は、Grand Theft Autoの開発元であるTake-Two Interactive Softwareが、「全ての関連コンテンツの公開」を義務付けているESRBの規定に違反したか否かを見極めることにある。
Vanceは8日に発表した声明の中で、「ESRBのレーティングシステムの完全性は、消費者の信頼の上に成り立っている。ゲーム内容に関する完全かつ正確な情報を提供する機関として、ESRBに対する消費者の信頼度はますます高まっている」と述べた上で、さらに次のように続けた。「この修正をめぐる全ての関連事実を徹底的かつ客観的に調査した結果、われわれが定めた規定に違反する行為があったとの結論に至った場合、われわれはしかるべき措置を講じる。」(Vance)
また、Vanceはカリフォルニア州議会議員のLeland Yee(サンフランシスコ選出、民主党)に対しても辛らつな発言を行なった。Yeeは、San Andreasを適切に評価していないとしてESRBを非難する声明を発表したが、その中で、ゲームの評価する際にESRB内で利害の衝突が生じていると非難した。
非営利の評価機関であるESRBは、1994年にEntertainment Software Associationによって設立された。Yeeは、ESRBがゲーム内容に関わらず「成人専用」と評価するのを避けていると暗に述べている。大手小売店は「成人専用」に分類されているゲームは販売しないため、その種のゲームが広く流通することはない。
Vanceは、「Yee議員は長年、ESRBの完全性を損なう運動に従事してきた。また、そうすることで、立法議案への支持を集めている」と述べ、さらに「同議員は、あるゲームが17歳以上向けに分類され、ゲームが入っている全ての箱にゲーム内容が明確に表示されているにも関わらず、合理的根拠もまったくなしに、そのゲームが適正に評価されていないと主張し、政治的な点数稼ぎをしようとしている」と非難した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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