Microsoftは2005年、Fossil、Suunto、およびSwatch製の第1世代スマートウォッチにサービスを配信する「MSN Direct」ワイヤレスサービスの立ち上げに膨大な資金を投じた。
これらの腕時計はMicrosoftのSmart Personal Objects Technology(SPOT)を採用し、メディアでも大々的に報道され、興味深い機能もいくつか搭載していたが、市場の反応はかんばしくなかった。大きさや、デザインの悪さ(超マニアックとも言う)などの問題があったためだ。また、発売当時は年間60ドルのMSN Directサービス利用料を支払う必要もあった。これだけ見ればさほど高額ではないが、既に携帯電話などの請求書があふれている人には納得できなかった。
MicrosoftとFossilは、SPOTの第2弾となる「2006年バージョン」として、新しい179ドルのスマートウォッチシリーズをひっそりと投入し、第1世代モデルの欠点を一部解消した。このシリーズは「Abacus Smart Watch 2006」と呼ばれ、われわれはレビューの目的でキャンバススタイルのグリーンのバンド付きモデルをテストした。しかし、皮や、初めて金属のバンドを採用したものなど、ほかにも複数のモデルが用意されている。
まず、Abacus Smart Watch 2006は第1世代のスマートウォッチの最薄モデルよりさらに2mm薄型化され、平均的なスポーツウォッチと同程度のサイズに収まった。つまり、依然としてやや大きいものの、巨大ではなくなったということになる。受信アンテナ(情報はFM信号で配信される)を内蔵する時計のバンド自体は、最初は固いものの、徐々に馴染んで快適になり、Fossilの初期のスマートウォッチよりも取り付けや取り外しが楽になる。金属バンドのモデルも試したが、これもかなり快適で、バンドの長さ調整もピンをはずすだけと簡単だった。
また、新世代のスマートウォッチにはMSN Direct Smart Planサービスの1年無料利用権が付属しているため、(最初だけではあるが)余計なお金をつぎ込む心配がない。MSN Directの利用を申し込むと、さまざまなチャネルに登録することになる。これで、見出し記事と要約文という基本構成のニュースの抜粋を自動受信できるようになる。現在選択可能なのは、一般ニュース、ビジネスレポート、技術やスポーツに加え、最新の天気予報など。
Microsoftはさらに、ESPNからの各種試合結果情報、株価情報、「今日の言葉」、「今日あった出来事」、星占い、ロードショー情報、「今日の話」、交通情報(本稿執筆時点ではベータサービス)などの各チャネルを用意している。さらに、腕時計の搭載メモリを2005年モデルの2倍とすることで、Microsoftはもう1つの大きな不満を解消した。これからは、メモリ不足を気にすることなくほぼすべてのチャネルを購読できるようになる。
携帯電話を使えばもっと素早く簡単にインターネットにアクセスできることを考えると、腕時計に配信される情報の実用性はどれも議論の余地があるものだ。しかし、腕時計の文字盤をカスタマイズできる点については相変わらず好感が持てる。また、メモリの増量により、これらの2006年モデルでは腕時計の文字盤デザインをほぼ好きなだけアップロードできるようになる(6種類がプレインストールされているほか、Watch Faceチャネルからも複数のデザインをダウンロードできる)。また、Microsoft Outlookのユーザーなら、20ドルの追加料金を支払ってSmart Plan Plusを購読することをお勧めする。これを利用すると、Outlook Calendarの予定2日分と、受取専用のテキストメッセージを、MSN Messengerを経由して腕時計で受信できるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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