Apple Computerのマシンの価格は確かにPCよりも高い。だが、ある金融アナリストによると、Macは同等のWindowsマシンにくらべてそれほど割高なわけではないという。
Piper JaffrayアナリストのGene Munster氏によると、同氏が行った調査の結果、Macの各モデルと同等の部品を採用したPCとの価格差は、デスクトップで平均13%、ラップトップの場合は平均10%にしかないことがわかったという。
「消費者も投資家も、Macの価格がPCに比べて20〜30%高いと考えがちだ」と同氏は調査メモのなかで述べている。
しかし、IDCのアナリストRichard Shim氏は、AppleがPC市場のごく一部でしか他社と競争していないと指摘する。
「MercedesとBMWのクルマを比較して、それほど大きな価格差はない、と言うことはできる。だが重要なのは、両社のようなプレミアムブランドでは大衆市場に訴求できないという点だ」(Shim氏)
Piper Jaffrayの調査では、1874ドルの20インチiMacと、1440〜1970ドルに収まるDellの2モデルおよびHewlett-Packard(HP)の2モデルとを比較。またラップトップについては、2699ドルの17インチMacBook Proに対して、1899ドルのHP製ラップトップや、Dellの「XPS M1710」(3445ドル)および「E1705」(1922ドル)が比較の対象になっている。
ただし、HPやDellはこれらの高額マシンを販売する一方で、それよりはるかに安いマシンも用意している。また、300ドルのデスクトップや500ドルのラップトップを売り込む広告も一般的に目にするようになった。
また、クルマにたとえていえば、大半の人が買っているのは、BMWやMercedesではなくホンダのクルマだ。
Current AnalysisのアナリストSamir Bhavnani氏は、「価格帯別の売上を見ると、1500ドル以上のカテゴリーで売れているデスクトップは非常に少ない。デスクトップのスイートスポットは約600ドル前後というのがいまの傾向だ」と語っている。
一方、現在のノートPCのスイートスポットは1000ドル前後だと同氏は述べた。
IDCによると、2005年に米国で販売されたデスクトップの平均価格はディスプレイ付きで744ドル、ラップトップの平均価格は1070ドルだったという。これらの価格は2006年にさらに低下すると予想されており、典型的なノートPCの価格は981ドルに、また平均的なデスクトップの価格は711ドルになると見られている。
これらの価格は、Appleのマシンのなかでも最も安いモデルのそれに相当する。たとえば、新たに発表されたMacBookは1099ドルからとなっており、またMac miniの最低価格は599ドルだが、ただしこれはディスプレイなしの値段だ。
それに対し、Dellが最近発売したあるノートPCは、Intel Core Duoプロセッサ、1Gバイトのメモリ、80Gバイトのハードディスク、15.4インチの液晶画面、それに書き込み可能なDVDドライブを搭載して、699ドルで販売されていた。なお、このモデルの通常価格は1234ドルだ。
Shimによると、Appleが市場のハイエンドを狙っているのは「悪いことではない」という。
同氏は、Appleが価格面よりも機能優先で選択したものの例として、発表されたばかりMacBookに搭載されている13.3インチのワイド液晶画面を挙げた。同氏によると、ラップトップではすでに12インチや14インチの(ワイドではない)画面が使われていることから、12インチや14インチのワイド画面もどちらかというと標準的で価格も比較的安いという。それに対し、13インチ画面はどちらかといえば珍しいと同氏は述べた。
「Appleが革新的な技術を他社に先駆けて採用することはよくあり、ユーザーがその技術から得られるベネフィットに対してプレミアムを払わなければならないことも多い」(Shim氏)
なお、アップル関係者はコメントを控えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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