Appleが出願した特許の内容から判断すると、将来カーステレオで「iPod」に入れた音楽をさらに簡単に聴けるようになるかもしれない。
米特許商標庁(USPTO)が先日公開したAppleの特許出願書(No.20050286481)によると、同社は、iPodの音声ファイルを無線で送信し、カーラジオなどのFM波受信機で再生するための「方法、装置、およびシステム」を考えているという。
また、「携帯用マルチメディアデバイスを利用するデータ伝送方法」として説明される発明では、演奏者名や曲名などのデータを無線で受信機に送信するため、FMラジオ技術として知られるRadio Data System(RDS)を開発するという。
携帯端末の話題を扱う一部のブログでは、Appleが今後このような技術をiPodに組み込むことで、同様の機能を持つiPod用アクセサリを販売する企業(例えば、「iTrip」のGriffin Technologiesなど)にプレッシャーがかかることにはなるだろうと推測している。
「Macsimum News」というブログでは、「最終的には、iPodに保存されたiTunesのデータがカーステレオで再生されるだけでなく、演奏者名や、曲名などがRDS対応ステレオに搭載される小さな画面に表示されることにもなるだろう」と記している。
また、同ブログではこの技術について、iPodと自動車をシームレスに統合するというAppleの計画と合致するのではないかとも述べている。同社は9月、AudiやVolkswagen、ホンダの各社とこの分野で提携している。また、BMW、Mercedes-Benz、Volvoなどの自動車メーカーが、オプション機能としてiPodを既にサポートしている。
iPodをラジオで聴くというのは、最近のAppleのテーマであるようだ。Appleは米国時間10日、同社が毎年開催する「Macworld Expo」で「iPod Radio Remote」を発表した。49ドルで販売されるこの製品を使えば、iPodでFMラジオを聴くことや、ラジオ局や楽曲の情報を画面上で表示することが可能になる。
しかし、あるブロガーは、「iTrip」などの一部サードパーティ製FMトランスミッターで発生している性能低下の問題が、特許出願書で説明される技術でも起こるのではないかと懸念している。
「Gadget Review」というブログには、「iTrip(FMモジュレータ)が持つ問題と同じ問題が起こるのではと心配している」と記されている。「FMモジュレータは、混信したラジオ放送を拾うことが多い。ラジオ局が多いロサンゼルスではよくある問題だ」(Gadget Review)
AppleとGriffin Technologiesの関係者からは、この特許出願についてのコメントは得られなかった。
特許出願書によると、申請された特許では、複数の種類の音声フォーマットや携帯音楽プレイヤーが対象となっていた。携帯音楽プレイヤーとしては、携帯電話や携帯デジタルアシスタントが含まれているが、Appleが想定しているのは明らかにiPodだ。
「このマルチメディアプレイヤーは、メディアデータ(楽曲など)とその関連情報(曲名や演奏者名など)を無線で送信するためのFMトランスミッターとiPodとを組み合わせた形をとり得る点に注意すべきだ」と特許出願書には書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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