数カ月前から徐々に熱気を帯びつつあった次世代DVDフォーマットをめぐる論争は、DellとHewlett-Packard(HP)が米国時間30日、対抗フォーマットの支持を表明したIntelとMicrosoftを非難したことで一気に激化した。
MicrosoftとIntelは今週に入り、HD-DVDフォーマット支持を発表した。支持理由としては、同フォーマットにより、ホームネットワークにおける映画のやりとりが容易なる点や、HD(高品位)版とSD(従来品位)版のDVD映像を収めたハイブリッドディスクの配布が簡単になる点が挙げられている。一方のDellとHPは米国時間30日、世界最大のソフトウェアメーカーとプロセッサメーカーが「誤った」情報を流していると反論した。そして、対抗するBlu-rayフォーマット支持を重ねて強調した。
HPのパーソナルストレージ事業部ゼネラルマネージャMaureen Weberは声明を出し、「PCのエンドユーザーの観点から見た場合、Blu-rayの方がフォーマットとして優れている」と述べた。Weberによると、Blu-rayは、記憶容量で66〜150%勝っており、転送レートも高い上、薄型ノートPCにも容易に搭載可能だという。「技術面と消費者にとってのメリットを考えると、Blu-ray DiscはHPの顧客にとって理想的なソリューションだ」(Weber)
Dellの創業者Michael Dellも、米国時間28日に行われた高級ブランドPCシリーズ発表の場でMicrosoftとIntelを激しく非難した。
「DVDドライブを初めてサポートしたのはWindowsのどのバージョンだっただろうか?いずれでもなかった。いつもメーカーが独自にコーデックを用意してきたため、WindowsにはDVDコーデックを用意しなかった」(Dell)
いずれのフォーマットも、青色レーザーを使うことによって、赤色レーザーを使う既存のDVDよりディスク1枚あたりのデータ記憶容量を増やしている。
HD DVDは東芝を中心とするコンソーシアムが支持し、Blu-rayはソニーやPCメーカー各社が支持している。
今回の論争も、標準を1つに絞れないハイテク業界の新たな失敗例だ。フォーマット戦争は、ビデオテープのVHS対Betaで本格的に始まったが、最近もDVD+R対DVD-Rなどの例がある。DVDを巡るこの戦いも未解決のまま続いているが、多くのコンピュータはどのタイプのメディアにも記録可能なドライブを搭載している。
だが、今回の論争は特に興味深い。IntelとMicrosoftの連合軍が、両社の上得意客を複数敵に回しているからだ。さらに、この戦いはハリウッドの映画会社までも二分している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス