米Apple Computerの最高経営責任者(CEO) Steve Jobsは、最新のMac OS X (10.3 「Panther」)は、米Intelのチップ上でも簡単に動かせるが、それでもプロセッサの変更にはまったく興味がないとコメントした。
「技術的な面からいうと、Pantherならどんなプロセッサにも完璧に移植が可能だ」。Jobsは、フィナンシャルアナリストとのミーティングの席上でそう語った。しかしまた、同社は米IBMのPowerPCプロセッサに充分満足しており、その性能について「非常に競争力がある」と感じているとも述べた。
「現時点では、プロセッサを別のものに切り替える必要は、特に感じていない。我々の手には、この世に存在する全ての選択肢があると考えているが、しかしPowerPCの今後の開発ロードマップはとても強力なものだと思う」(Jobs)
米Microsoftは、同社のWindows XP Media Center Editionオペレーティングシステム(OS)でビデオ録画機能を提供しているが、この機能を搭載したMacを売ることに興味があるかと尋ねられたJobsは、「そんなものを付けるくらいなら、いっそコンピュータとトースターを合体させるほうが面白い」と冗談を口にし、さらに、そうした製品が大きな市場を創り出せるとは思わないと付け加えた。
「そういう方面への展開は考えていない。そうした機能を気に入ってくれるユーザーは、僅かな数しか存在していない」(Jobs)
Jobsは、Media Centerのコンセプトについて、いつくかの問題があると指摘し、とりわけコンピュータの場合と比べて、テレビの観られ方は人により千差万別だと説明。「一般的には、人はテレビをボーッとしながら観たいと思うものだ」と付け加えた。
また、ビデオ録画機能は、プロセッサの処理能力に対する負担が多いので、ゲームや表計算など他のタスクを行わない機器にやらせるのが最良のやり方だと述べた。「The West Wing(という番組)を録画したい時には、私なら確実にその番組が録画されているようにしたいと思う」(Jobs)
これとは別に、iTunes Music Storeで購入した曲を、iPod以外のMP3プレーヤーでも再生できるようにするべきだ、あるいは他の音楽ダウンロードサービスで買った曲をiPodでも聞けるようにすべきだとの声があがっていることについて、Jobsはそうした考えを一蹴した。
「(OSにおけるマイクロソフトのように)音楽ダウンロード販売の分野で我々がほぼ独り勝ちしている時に、なんで他の音楽ストアと協力しなければならないのか?そんなことに使う資金があるなら、iPodとiTunes Music Storeの機能強化にもっとお金をかけたい」(Jobs)
個人ユーザーの、64ビットプロセッサ搭載コンピュータに対する関心の程度を尋ねられたJobsは、ユーザーが気にするのは、どんなチップが動いているかではなく、そのコンピュータを使って自分が何をできるかということだと答えた。
「一般的な個人ユーザーは64ビットプロセッサ(搭載のコンピュータ)自体には興味がない」とJobs。だが、同時に、たとえばDVDが短時間で焼けるようになったり、あるいはぼやけ気味だった写真をくっきりとしたものに変えられるというなら、消費者もこれまでより高速な(64ビット)プロセッサに対して大いに関心を持つだろう、と付け加えた。
「写真をくっきりとしたものに変えることは理論的には可能だが、但し多大な計算処理能力が必要になる。64ビットプロセッサなら、いつかそうしたことができるようになるだろう」(Jobs)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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