東芝、03年度の中間決算は減収減益、PC事業の不振響く

 東芝(岡村正社長)が10月24日に発表した2003年度(04年3月期)の9月中間連結決算は、売上高が前年同期比1%減の2兆6083億1600万円、営業損益が119億9900万円の赤字(前年同期は28億7400万円の黒字)、税引前損益が176億100万円の赤字(同438億1300万円の赤字)、当期純損益が321億7500万円の赤字(同264億700万円の赤字)となった。

 減収減益となったのは、主力のデジタルプロダクツ部門が売上高で前年同期比4%減の9567億9300万円、営業損益で281億4900万円の赤字(同93億8800万円の黒字)と、大幅に落ち込んだことが主な要因。パソコンが部材の高騰による売価アップで、海外を中心に販売台数が伸び悩んだ。「パソコン事業は170億円の赤字だった」(笠貞純・取締役執行役員上席常務)という。

 東芝は、9月にパソコン事業の抜本的な事業戦略見直し策を打ち出しており、

  1. 市場変化に対応した販売戦略
  2. 収益力改善に向けたコスト削減
  3. 商品開発の効率化および安定供給
  4. 生産体制の見直し

 ――などに取り組んでいる。

 この計画では当初、パソコン事業の中間期は170億円の営業赤字となるものの、改革効果で下期に90億円の黒字へと転換し、通期で80億円の赤字にとどめる考えを示していた。だが、今回の決算発表では「今後も部材の高騰が続く」(同)見通しにあることから、下期の営業損益を「40億円の赤字」に下方修正した。出荷台数見通しは、9月時点で全世界で470万台と見込んでいたのを、460万台に下方修正。通期の売上高見通しも、7470億円から7350億円へ修正した。

 決算発表会の席上、「企業向けのパソコン販売を本体から切り離すべきではないか」という質問に対し、笠上席常務は「悪化が続くようであれば、提携やジョイントベンチャーの立ち上げなどの方向も考えなければならない」と応答。コンシューマ市場での販売については、「ユビキタスへの方向性から切り離すことはできない」としている。

 その他の部門においては、電子デバイスが売上高で前年同期比1%減の6274億6700万円、営業利益で同454%増の265億9500万円、社会インフラが売上高で同4%減の7300億3400万円、営業損益が151億3100万円の赤字(前年同期は210億1600万円の赤字)、家庭電器が売上高で同2%減の3134億6700万円、営業損益で47億900万円の赤字(同25億300万円の黒字)などとなっている。

 なお、通期の連結業績見通しは、7月の時点で売上高5兆7000億円、営業利益1700億円、税引前利益900億円、当期純利益400億円を見込んでいたが、今回、売上高5兆6500億円、営業利益1400億円、税引前利益900億円、当期純利益250億円に下方修正した。

東芝

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