ノートPCのユーザーが慣れ親しんできた世界が、一瞬のうちに変わろうとしている。
NAND型フラッシュメモリのメーカー各社は、今後数年間で同チップの市場が拡大し、現在ハードディスクやその他のタイプの記憶装置を利用している電子機器にもフラッシュメモリが搭載されることになると主張している。そうなれば、携帯電話で数時間分のビデオを録画できるようになったり、小型のノートPCが登場し、バッテリーの駆動時間も2倍もしくはそれ以上に長くなったりする可能性がある。
NAND型フラッシュメモリに関する話題は、今週ラスベガスで開催されているConsumer Electronics Show(CES)で、特に注目を集めそうだ。メーカー各社は、携帯電話のコンポーネントとしてフラッシュメモリの重要性が高まっていることや、今年ノートPC用ハードディスクの中にいかにして割り込んでいくかを示そうとしている。
大手メモリメーカーMicron TechnologyのCEO、Steve Appletonによると、NAND型メモリの大容量化がさらに進むことから、2010年頃までにはハードディスクの代わりに同メモリを搭載した小型ノートPCが登場する可能性もあるという。またフラッシュメモリには、省スペースで低消費電力というメリットもある。
「平均的なノートPCには、30Gバイトのハードディスクが搭載されている。おそらく5〜6年先には、ノートPCにもフラッシュメモリが搭載されるようになっているだろう」とAppletonは言う。「ハードディスクがなくなるとは言わない。今後もストレージへのニーズは常にあり続けるだろう。ただし最後にハードディスクを一杯まで使ったのがいつだったかは思い出せない」(Appleton)
Semico Researchのアナリスト、Jim Handyは、Microsoftが同社のソフトウェアに容量を食う機能を追加し続ける限り、フラッシュメモリがハードディスクに取って代わることはない、と述べている。しかし、ビデオカメラについてはフラッシュメモリが標準となり、テープや録画可能なDVD、ミニドライブに取って代わることになると指摘する。日本ではすでに定番となったフラッシュメモリ搭載のビデオカメラは、これまでのものより小型で、しかも500ドルで販売されるカメラのコストのなかにこれらのチップに関連するプレミアムを吸収することは可能だ。
「ビデオはハードディスクの領域ではない。ビデオカメラにはフラッシュメモリが搭載されることになると予想している」(Handy)
NAND型フラッシュメモリはまた、比較的近い将来、カーナビシステムにも搭載され始め、企業や政府機関で使われるような大規模なデータストレッジシステムにも採用されるだろうと、Samsung ElectronicsのJon Kang(テクニカルマーケティンググループ、シニアバイスプレジデント)は述べている。Kangがこう主張するのには訳がある。出荷される製品のビット数で見ると、Samsungは世界最大のNAND型フラッシュメモリ・メーカーだからだ。
「消費者向けの用途では、フラッシュメモリが大きなメリットをもたらすだろう」(Kang)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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