情報ストレージメディアベンダーの日立マクセルが、同社初のホログラフィックストレージ製品を2006年9月に発売することを明らかにした。同製品は、300Gバイトの容量と、160Mbpsのスループットという性能を備える。
ホログラフィックストレージでは、感光効率の高いクリスタルを使って情報を格納する。また同技術では、ディスクの表面だけでなく、全体を使って情報を保存するため、DVDよりはるかに多くの情報を記憶することが可能だ。そのプロトタイプの外観は、フロッピーディスクに近い。
日立マクセル製ホログラフィックストレージのプロトタイプ |
ホログラフィックストレージは、ホログラフィックリムーバブルドライブ(ディスク)単体で160万枚の高解像度カラー写真やテレビ番組240時間分を保存できるため、IT業界から大きな注目を集めつつある。
日立マクセルのシニアマーケティングマネジャーSteven Pofcherは、「ホログラフィックメディアは、小さくて比較的低コストのディスク1枚に、数百万ページ分の情報や高品位画像を格納することができる」と語っている。
「MRI画像を含む個人の医療記録がすべて保存できたり、ネットワーク放送局のHDライブラリがすべて1枚のディスクに収まることを想像して欲しい。ホログラフィック技術ならいずれも可能だ。300ページある書籍を1枚のディスクに約50万冊保存できる大容量を誇っている」(Pofcher)
ホログラフィック記録技術では、信号光と参照光を使い、多数の3Dホログラフィックイメージとしてデータを保存する。
日立マクセルによると、13cm径の光ディスク1枚で最大1億5000万ページを格納できるという。これはDVDの63倍以上の容量に相当する。
Turner Entertainmentの放送技術担当バイスプレジデントRon Tarasoffは11月に入り、同社が5年以内に100ドル前後で容量1.6Tバイトのホログラフィックディスクを販売するという計画を明らかにした。
「かなり低価格だ。初期バージョンでさえ1枚のディスクに300Gバイトの容量と、160Mbpsのデータスループットがある。相当な数値だ。これでランダムアクセスを実現すれば世界最高の媒体となる」(Tarasoff)
同技術は血統も優れている。日立の子会社である日立マクセルは、Lucent Technologiesの子会社でホログラフィックメディアの開発を主導したInPhase Technologiesと提携している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力