10月4日、幕張メッセにおいて国内最大級のエレクトロニクスの展示会「CEATEC JAPAN 2005」が開幕した。788社・団体が参加する今回のテーマは「発展するユビキタス社会。次が見える、明日が変わる。」というもの。このテーマが示す通り、次世代光ディスクや燃料電池など、今後のユビキタス社会を支えると見られる技術を利用した参考製品が多数展示され、実用化が近いことをうかがわせた。
今回のCEATECで最も注目を集めているのが、次世代光ディスクのデファクト・スタンダードをめぐって争うBlu-ray DiscとHD DVDという2つの規格の製品化動向だ。それぞれの規格を推進する2つの団体が数十メートルの距離を置いてブースを設置したほか、各陣営の企業は開発中の対応製品を一挙に展示している。
会場には皇太子殿下が訪れ、各社のブースを回って次世代技術を熱心に見学していた(写真:CEATEC JAPAN運営事務局提供) |
Blu-ray Disc陣営は追記型のBD-Rや書き換え型のBD-RE対応機器やディスクのほか、Blu-ray Discドライブを搭載したPCの試作機も公開した。対するHD DVD陣営もHD DVDドライブ搭載PCや、年末以降に発売する予定の対応プレイヤーなどを展示していた。
また、初日の基調講演ではこうした両陣営の争いについて、HD DVDフォーマットを支持すると表明したIntelのデジタルホーム事業本部 副社長 兼 本部長であるドン・マクドナルド氏が説明した(関連記事)。
燃料電池は、KDDIとNTTドコモの2社を中心に開発が進められている。KDDIは日立製作所、東芝と共同で開発した燃料電池内蔵型の携帯電話端末を紹介した(関連記事)。ドコモも富士通と共同で、やはり燃料電池を内蔵した端末を開発し、自社のブースで展示している。このほか薄型テレビでは、富士通、日立、松下電器、パイオニアなどが共同で設立した、プラズマパネルディスプレイ(PDP)の研究開発を行う企業「次世代PDP開発センター」が、発光効率を高めてプラズマテレビの消費電力を半減させる技術を開発したと発表した。プラズマテレビはこれまで液晶テレビに比べて消費電力が高いとされてきたが、この弱点を克服できるという。
また、2006年4月1日から始まる予定の携帯電話向け地上デジタルテレビ放送「ワンセグ」に対応した携帯電話端末も多数展示されていた(関連記事)。実際にワンセグで使われる周波数帯を使った試験放送を受信する様子が紹介され、来場者は端末を手にとって使い勝手などを試していた。
CEATEC JAPAN 2005は8日まで開催される。開催事務局では5日間で約20万人の来場を見込んでいる。なお、各ブースの詳細については別途報告する。
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