Intelは米国時間27日、一般PC向けの64ビットプロセッサを発表した。この発表により同社は、同等の処理能力を備えたチップを7月に投入すると思われていた競合企業のAMDに対して1カ月先行することになった。
Intelの新しい「Celeron D 351」は、現行の「Celeron D S775」プロセッサシリーズの後継品となる。2つのチップは、よく似ているが、64ビットの処理技術「EM64T」が追加されている点に違いがある。
コンピュータを制御する頭脳であるマイクロプロセッサは、10年以上、32ビットで処理を行ってきた。しかし、Intel、AMD、IBMのような企業は、次世代のソフトウェアに備え、サーバと同等のコンピューティング技術を使って命令をより多く処理できるチップの開発を進めている。
チップを64ビット化することで、機能の処理が高速化し、また、4Gバイト以上のメモリを扱うことが可能になる。現在、ほとんどのPCで使用されるメモリ容量は512Mバイト〜1Gバイトであるが、メモリ容量が増加すれば、処理速度の向上につながる。
AMDは、一般PC向けの64ビットプロセッサである「Sempron」の販売を、7月中旬頃に開始すると思われている。IBMは、64ビットプロセッサ「PowerPC 970(「PowerPC G5」とも呼ばれる)」を、Apple Computerのマシン向けに2003年6月から供給している。
Celeron D 351は、256KバイトのL2キャッシュメモリを備え、高速なデータ転送を実現するために533MHzのシステムバスが採用されている。処理速度は3.20GHz。また、Microsoft Windows XP Service Pack 2でサポートされるハードウェア機能も搭載する。
Intelによると、Celeron D 351を使うことで、消費者は、ウェブの閲覧、基本的なゲームの使用、電子メールの送受信、文書の作成、家計のチェックなどをより効率的に行うことができるという。また、同チップは、2個の対応するチップセットと組み合わせることで、高品位(HD)映像、7.1サラウンドサウンド対応の音声、改善されたグラフィックス機能も処理できるIntelは述べている。
Intelでは、Celeron 351に加えて、「Celeron 350」も発表した。Celeron 350は、3.20GHzで動作するが、Intel EM64Tはサポートしていない。両チップとも、1000個以上受注時で、1個あたり73〜127ドルで販売される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス