Microprocessor Report編集長のKevin Krewellは「これは難しい移行になるだろう」と語っている。2週間前に、AppleがIntelチップへの切り替えを検討していると報じられた際、ほとんどのアナリストがさまざまな問題を理由にこの考えを一蹴していたが、Krewell もそのなかの1人だった。
Appleは、この移行作業を容易にするため、水面下で着々と準備を進めてきた。同社は5年前からIntelと協力してきており、社内ではすでにMac OS XをIntelチップ搭載PCで動かしている。
Apple CEOのSteve Jobsは、この日の基調講演のなかで、「Mac OS Xのすべてのバージョンは、PowerPC用以外に、Intelチップ用にもコンパイルされている」ことを明らかにした。
さらに同社は、999ドルのデベロッパーキットをまもなく出荷する。これには3.6GHzのPentiumプロセッサで動作するMac、Intel版Mac OS X、XCode 2.1、およびRosettaが含まれる。
Mac用ソフトウェアの開発者らは、WWDCでIntelベースのソフトウェアをいくつか入手できるようになるが、各種ツールやソフトウェアは今後徐々に発表されることになる。また、一般ユーザーがIntelベースのMacを購入できるようになるのは2006年6月からで、移行の完了は2007年末となる。
技術面以外で、おそらく最も難しい問題は、MacユーザーのコミュニティにIntelベースのハードウェアを受け入れさせることかもしれない。Appleは何年も前から、(後に編集が明らかになったベンチマークを何度も使いながら)PowerPCの優位性を訴える大々的な宣伝を展開してきた。PowerPCには忠実な支持者がついている。あるAppleファンは、今回の基調講演の数日前、JobsがIntelチップ採用を発表すれば、ブーイングの嵐になると予想していた。
「なんだか悲しい。AppleはPowerPCを採用し続けてくれるものと思っていた」と、Logo Computer SystemsのKirill Alexandrovはコメントしている。
また、Intelベースのほぼすべてのコンピュータには、Intelの大きなシールが光っているが、一部からはたとえMacにIntelチップが搭載されたとしても、特にそのことを宣伝する必要がないことを願う、といった声も聞かれる。
「Intelチップが搭載されていることには誰も気付かないだろう。それを宣伝しても、大した違いにはならない」と、Circus Ponies SoftwareのJayson Adamsは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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