Via Technologiesは、今週台北で開催される「Computex」トレードショーでノートPC向けの「C7」プロセッサを発表する。同社は、IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)の現行製品とほぼ同程度の性能を持つこのチップで、性能に関する信頼のギャップを埋め、PCメーカー各社が800ドル未満の軽量ノートPCを投入できるようにしたい考えだ。
このところ、プロセッサメーカー各社では新製品の発表が相次いでいる。Intelは新しいデスクトップ用チップ「Penitium D」を米国時間25日にリリースし、AMDもデスクトップ用AthlonをComputexで公開すると見られている。台湾のQuantaなどの委託製造業者も、ComputexにノートPCを出してくる可能性が高い。これらは、いずれDellやHPブランドのノートPCとして世界中で販売されることになる。
しかしViaのC7は、2GHz動作時の最大消費電力が20ワットと競合チップより低く、スペースもわずか30平方ミリしか必要としない(サイズが小さければ、その分コスト削減につながる)。
「薄型軽量ノートPCが800ドルか、もしかするとそれ以下の価格で登場することになる」と、ViaのRichard Brown(インターナショナルマーケティング担当アソシエイトバイスプレジデント)は述べている。
一般的に、約2キロ以下の薄型軽量ノートPCはで1000ドル以上するのに対し、約3.5キロ前後の格安ノートPCは650ドル程度からある。しかし、PCのマーケティングに携わる幹部らによると、これらの大型ノートPCはほとんどがデスクトップ代替機として使われているという。こうしたことから、多くのノートPCにとっては重量が大切な要因の1つになっている。たとえば、HPのPavilion dv1227usは小売価格1199ドルで販売されている。C7搭載ノートPCの大半は新興市場のノーブランドメーカーから発売されるが、一部のモデルは米国や欧州に流れることになりそうだ。
Viaがプロセッサ市場にすぐにも衝撃を与えるようなことはない。同社は世界有数のPCチップセットメーカーだが、Mercury Researchによると、全世界のPCプロセッサ市場における同社のシェアは1%をわずかに上回る程度だという。
それでも、C7チップは同社にとってのターニングポイントとなる。Viaのチップは何年も前から性能面で他社製品に大きく水をあけられ、ほぼ価格だけで競争せざるを得なかった。もしIntelがプロセッサ市場のゴリラだとしたら、AMDはチンパンジーで、そしてViaはモンキーだと、ViaのCEO、Wen Chi Chenはインタビューのなかで語ったことがある。
Viaのプロセッサは米国では、Wal-Martで販売される低価格Linuxデスクトップや大型ノートPC、シンクライアントで主に採用されている。
MercuryアナリストのDean McCarronは、「C7の登場で(性能の)差は以前より小さくなる」と語っている。また、同チップはPCのなかでもホットな市場をターゲットにしている点も、それと同様に重要だ。ノートPC市場はPCプロセッサの総出荷数の約25%を占めており、デスクトップのシェアを奪って急速に伸びている。一般には、ノートブック用チップの方が利幅も大きく、販売価格も高い。
「ノートPC市場は成長を続けており、なかでも最も大きな伸びを示しているのが低価格モデル市場だ」とMcCarron。加えて、開発途上地域での売上は、既存市場を上回るペースで伸びている。
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