サンフランシスコ発--以前から高額な製品ばかりを出すと非難されてきたApple Computerだが、米国時間11日に同社は新しい低価格PCを発表し、マスマーケットに真っ向から勝負を挑むことになった。
Apple最高経営責任者(CEO)のSteve Jobsは、当地で開幕したMacworld Expoで基調講演を行った。同氏はこの講演のなかで、Mac miniという新製品を発表し、このマシンがMac信者以外にもAppleのユーザー層を拡大するのに役立つだろうと語った。
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Jobsはまた、超小型のフラッシュメモリ搭載iPodをはじめ、注目を集めていた複数の製品が発売になることも正式に認めた。これらの製品については、Mac関連のファンサイトから一部の情報が流出したため、秘密主義で知られる同社は複数の情報源とされる相手を訴えていた。
JobsはMac miniとフラッシュメモリベースのiPodを皮切りに一連の製品を次々と発表したが、このことで流出情報の多くは結局事実であったことが明らかになった。
Mac miniはプロセッサ、ハードディスク、光学ドライブを搭載した超小型のマシンで、モニタ、マウス、キーボードは別売となる。Appleの製品はあまりにも割高だという苦情が同社には以前から寄せられていたが、JobsはこのMac miniがそうした苦情を解決するものになると述べた。
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「これは、いままでに登場したMacのなかで最も手ごろな価格の製品だ。(Windowsからの)乗り換えを考えている人にとっては、これでためらう理由がなくなる」(Jobs)
Mac miniは1月22日に発売され、価格はベースモデルが499ドル、ハードディスク容量の大きなものが599ドルとなる。この製品の投入は、忠実だが数の限られたMacマニア以外へのパソコンの売上拡大を目指すAppleがとった最も大胆な動きといえる。iPodとAppleのiTunesミュージックストアはAppleの売上高を急増させたものの、これらの製品がAppleのパソコンビジネスに何らかの影響を与えた形跡はこれまではほとんど見られなかった。
Mac miniには、AppleのOS X OSの最新バージョンであるPantherと、デジタルメディアアプリケーションを集めたiLifeが同梱される。ほぼすべてのMacと同じように、同マシンも機能だけでなくスタイルも重視してデザインされている。「これは、かなり強力なコンピュータだが、とても小型にできている」(Jobs)
11日に発売されたiPodの新シリーズには2つのバージョンがあり、512Mバイトモデル(約120曲を保存可能)の価格は99ドルで、1Gバイトモデルは149ドルとなっている。
どちらのモデルもMacとPCの両方に対応しており、曲のライブラリを表示するナビゲーションディスプレイは付いてない。Appleでは、これらの音楽プレイヤーが主に曲をランダム再生する「シャッフル」モードで利用されると想定している。
「iPodユーザーは、シャッフルという新しい音楽の聴き方を発見した」とJobsは述べ、「シャッフルモードでは曲を探す必要がなく、iPodが自動的に選曲してくれる」と付け加えた。
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