Microsoftは、Windows Media Centerの最新版でリビングルームに進出し始めているが、それでもエンターテイメント指向の同ソフトが完全に定着するまでには至っていない。
初期バージョンの登場から2年間でわずか100万本しか売れなかったMedia Center OSだが、最新版となるWindows XP Media Center Edition 2005の販売数は昨年10月のデビュー以来40万本に上っていると、Microsoftは米国時間5日にCESトレードショーで明らかにした。
同OSはWindows XPの各バージョンとほぼ同じだが、通常のものとは異なるインタフェースも追加されており、ユーザーがリモコンを使って写真の表示や音楽の再生、ビデオの鑑賞、テレビ番組の録画などを行えるようになっている。
「Media Center PCはかなり値段が下がっており、年末商戦で同OSの売上が倍増した理由の一部もそこにある」とMicrosoft会長のBill Gatesは5日、CNET News.comとのインタビューのなかで述べている。
Microsoftは、一般ユーザーの獲得に向けた同社の計画のなかでMedia Centerが重要な役割を担うと考えている。これらのユーザーは同社にとってますます重要なターゲットになっている。
Meta GroupアナリストのSteve Kleynhansは、Media Centerの売上増加について、期待を下回ってはいるが、それでもMicrosoftにとっては良い兆候だ、と述べている。
「3カ月でインストールベースを約40%拡大できたのだから、それほどひどい状態でもない。Microsoftは確かに同製品の認知度を向上させた。Media Centerについては総じて好ましい話が聞かれるようになっている」(Kleynhans)
これまでのMedia Centerは、主に新しもの好きの人々の注目を集めただけで、メインストリームの顧客に対しては訴求力を欠いていた。同社は、最新バージョンでこうした傾向を変えようとしており、個人ユーザー向けに販売するOSのうち、Media Centerの比率を10%以上に引き上げることを目標に掲げている。Kleynhansによると、Media Centerはいずれ一般ユーザー向けWindowsの主流になるはずだという。
「Microsoftは、Media Centerを個人ユーザー向けの標準OSにしていくはずだ。同社がこの方向に進みたいのは確実だ」(Kleynhans)
同社がMedia Centerの普及を加速させようとしている背景には、競合各社が新しい取り組みでホームエンターテイメント市場を狙っているという事情がある。たとえば、Hewlett-Packard(HP)は先日、同社が今年数多くの個人ユーザー向け製品を投入する計画であることを明らかにし、その中心となるLinuxベースのエンターテイメントハブを発表した。
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