ソニーは広く普及したMP3フォーマットをサポートする同社初のデジタル音楽プレイヤーをリリースした。これは同社の音楽戦略上で大きな転換点といえる出来事だ。
同社は予想通り、欧州でフラッシュメモリベースの音楽プレイヤー2機種を発表した。今回発表されたWalkman NW-E99およびNW-E95は、MP3と同社独自のAtracフォーマットの楽曲をネイティブでサポートする。米国時間25日に同社米国法人が明らかにしたこの動きは、ソニーのこれまでの立場とは大きく異なるものだ。同社は最近まで、セキュリティ面の不備と違法なファイル共有への懸念を理由にMP3をサポートしてこなかった。
しかし、そうした姿勢が災いし、ソニーはiPodを擁するApple Computerに、デジタル音楽プレイヤー市場でシェアを奪われてしまった。同社は代々、携帯音楽プレイヤー市場をリードしてきたが、これは元々カセットプレイヤーから始まったウォークマンの売上によるところが大きかった。そして、MP3を一度Atracに変換してから聴くようユーザーに求め続けた同社は、結局デジタル音楽プレイヤーの波に乗り遅れてしまった。
ソニーは、今後どの技術やフォーマット、標準をサポートするかについて、これまでよりもオープンな姿勢で検討していくと述べている。また同社は、現在成長中のネットワーク対応製品の品揃えを拡充し、有線/無線ネットワーク経由で送られたデジタルコンテンツをさまざまな製品で再生できるようにしていきたいと考えている。
同社のStan Glasgow(コンシューマ/コマーシャルセールス部門プレジデント)によると、同社は自社製品で他のフォーマットをサポートすることも検討しており、また自社の音楽プレイヤーと音楽ダウンロードサービスのSony Connectが採用するソフトウェアのルック&フィールにも大幅な改良を加えていくという。
ソニーは先週、S2 Sports Network Walkman Playerという製品を発表した。防水機能を持つ180ドルのこの製品には、ファイル管理ソフトが付属しており、MP3ファイルを直接 転送できるようになっている。なお同製品は米国では今月末に発売の予定。
ソニー関係者によると、今回発表になった300ドルのNW-E99と255ドルのNW-E95にもこのファイル管理ソフトが付属するという。NW-E99には1Gバイトのフラッシュメモリ、NW-E95には512Mバイトのフラッシュメモリが搭載されている。なお、北米市場における両製品の発売時期は未発表となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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