東京発--ソニーの幹部が14日、Impress AV Watchとのインタビューのなかで、年内に登場予定のPlayStation Portable(PSP)では、MP3ファイルをダウンロードして再生できるようになることを認めた。
ソニー・コンピュータエンタテインメントの川西泉氏(開発研究本部ネットワークシステム開発部部長)は、PSPのリリースや開発サイクルについても詳細も語ったが、これまでの計画通り年内に日本で発売できるかどうかについて若干疑問が残る部分があることを明らかにした。
ソニーには長年にわたり、大部分の端末で独自のATRAC3音楽フォーマットだけをサポートするというポリシーを守っていたが、MP3ファイルをサポートすることにより、このポリシーが覆えることになる。ソニー・コンピュータエンタテインメントは、先月開かれた東京ゲームショウで、PSPでサポートするオーディオコーデック(圧縮・伸張技術)のなかにMP3を含めていたが、それ以上の発表は行っていなかった。
川西氏の話では、PSPのユーザーは同機をUSBポート経由でコンピュータに接続し、MP3ファイルをダウンロードできるようになるという。PC側では接続されたPSPをUSBマスストレージデバイスとして認識するため、MP3ファイルをコンピュータのハードディスクからPSPにドラッグ&ドロップできるようになる。
これらのファイルはすべて、ソニーが製造するメモリースティックDuoに保存する必要がある。PSP用ゲームソフトのメディアとなる「Universal Media Disc(UMD)」フォーマットは、両システムがリンクされている場合にも、PCからはアクセスできない。
ユーザーはまた、ATRAC3plusフォーマットの音楽ファイルやJPEG画像もPSPにダウンロードできる。さらに、PSPでは「Cross Media Bar(XMB)」という新しいインタフェースを使ってファイルのブラウズや再生を行う。このグラフィカルなメニューはソニーのPSXシステムにも採用されているものだ。
またPSPでは、液晶画面下にあるボタンを使って、ユーザーが音楽の再生中にサウンドエフェクトを挿入できる。ただしこの機能が搭載された理由はまだ謎のままだ。
川西氏はまた、PSPではH.264/AVC MP Level3というフォーマットのビデオファイル再生も可能になると述べた。ソニー・コンピュータエンタテインメントでは、コンピュータ上にあるビデオをPSPがサポートするフォーマットに変換するための、PC用ツールをリリースするかどうかについて議論を進めている。いずれにせよ、PSPにはビデオ出力ジャックがないため、映画を外部画面に出力することはできない。
同氏はこのインタビューのなかでPSP誕生の経緯について語っており、開発が始まったのは2003年のE3の直前だったと述べている。そうなると、PSPはわずか18カ月で開発されたことになる。
同氏は、開発期間こそ短かったものの、PSPの年内発売は可能だと述べ、スケジュール通りの発売になるかどうかは、各ゲーム開発元が製品を間に合わせられるかどうかにかかっているとした。
ソニー・コンピュータエンタテインメントの関係者が、PSPの日本でのリリース時期について遅延の可能性を口にしたのは、GameSpotが知るかぎり今回が初めてだ。これが発売延期を示す最初の兆候なのかどうかは、今後の進展を見てみないとわからない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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