Intelが4GHzで動作するPentium 4プロセッサの開発を断念しようとしている。同社は来年投入するチップについて、動作スピードの高速化以外の方法を使って性能を引き上げるとしている。
Intelは米国時間14日に、プロセッサ開発のロードマップに加えられた最新の変更点についてPCメーカーに簡単な説明会を行う予定だが、同社はそのなかでPentium 4/4GHzの開発が完全に中止されたことを明らかにする。4GHz版Pentium 4のリリースは、当初2004年末の予定だったが、後に2005年前半まで延期されていた。
Intelは今後キャッシュサイズの増強によってチップのパフォーマンスを引き上げることになる。同社は現在の主力チップであるPentium 4に1Mバイトのキャッシュを積んでいるが、将来はこれを2Mバイトまで増やすという。サーバ向けのXeonやゲームPC用のPentium 4 Extreme Editionはすでに2Mバイトのキャッシュを搭載している。
Intel関係者によると、最初に2Mバイトのキャッシュを搭載するPentium 4は、来年初めに登場する3.8GHz版になるという。その後、Pentium 4は上位版から徐々に2Mバイトのキャッシュを積むタイプに切り替わっていくと、この関係者は付け加えた。
同社はさらに、64ビット機能やHyperThreading、「LaGrande」と呼ばれるセキュリティ技術などに重点を置いていく意向だ。また、同社は2005年のリリースを目標にデュアルコアチップの開発作業も拡大する。
今回の方針転換の背景には、同社社長のPaul Otelliniの考えがある。同氏は、チップの性能を引き上げる主な手段として、(メガヘルツで表される)チップスピードの高速化を重視する姿勢をやめたいと考えている。Intelでは何年も前からこのような方針転換を示唆していたものの、最近まではこうしたアプローチを好んできた。メガヘルツ重視をやめる話が経営陣から出ても、その直後に高速チップが発表されることが多かった。
速度向上に伴って発生する消費電力や熱の問題も、今回の方針転換に拍車をかけたものと思われる。大容量キャッシュあるいは2つのコアを搭載したプロセッサの方が従来のチップより低速で動作し、熱の発生も消費電力も低く抑えながらパフォーマンスを向上できる。またチップ上でエネルギーが集中し、熱の発生源となる場所を指す「ホットスポット」も、分散や縮小が可能になる。
チップのキャッシュを増やすと、1枚のウエハから製造できる個数が減るため製造コストは上がる。だが、Intelでは今年に入って90ナノメートル製造プロセスに移行しているため、チップサイズの大型化による全体への影響は抑えられるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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