Kevorkianは、ソニーがデジタル音楽プレイヤーのマーケットシェアでトップ5に食い込んでいない点を指摘した。同氏はまた、業界の支持を集めつつあるMicrosoftのWindows Media Audio(WMA)フォーマットのサポートについても(ソニーが)大きく遅れをとっている可能性を示唆した。
今回の戦略変更により、ソニーは携帯音楽プレイヤーの市場で大きく地位を挽回できるかもしれない。カセットプレイヤーのウォークマンで同分野の草分けとなった同社も、最近ではAppleのiPodにその座を負われてしまった。
ソニーの顧客はしばらくの間、早ければ今年中に登場するフラッシュメモリーベースのプレイヤーでのMP3サポートで満足しなくてはならない。ソニーは、新型プレイヤーの投入を計画しているほか、現行モデルの所有者向けにMP3をネイティブサポートするためのアップグレード用ソフトウェアの開発を進めていると、ヨーロッパの情報筋は語った。
情報筋がZDNet Franceに語ったところでは、同社はMP3のサポートをハードディスク搭載プレイヤーに拡げることも検討中だが、これについては何も決まっていないという。
ソニーはかなり以前から標準よりも独自技術を支持し、たびたび辛酸もなめてきた。 1980年代にビデオのベータマックスが市場でVHS陣営に破れた話は有名だ。ソニー独自のフラッシュメモリ技術であるメモリースティックも、デバイスメーカー各社の支持獲得に苦戦しており、ニッチ市場から抜け出せていない。そしてAtracも、WMAを含むほかの独自デジタル音楽フォーマットと同様に、業界のデファクトスタンダードであるMP3との差を縮められずにいる。
MP3関連ではもう1つ、Microsoftが方針を転換したことも大きい。同社は今月発表したWindows Media Player 10で、消費者が音楽ファイルをMP3フォーマットでリッピングできるようにした。同社は高額なライセンス料を理由に、これまでの製品ではフリーのMP3リッピングをサポートしてこなかった。
Microsoftとソニーの両社がMP3をサポートしたことは、これに代わる各種のファイルフォーマットを推す動きがあるにもかかわらず、同フォーマットが市場にあるデジタル音楽製品に必要不可欠な存在であることを示唆している。それでも、今回のソニーによる措置が、同社のオンライン音楽販売サービス「Sony Connect」でのMP3ファイルサポートにつながる可能性は低い。先ごろサービスを開始したSony Connectでは、Atracでエンコードした楽曲を販売している。
「われわれは、自社の音楽ダウンロードサービスではAtracを勧めたいと考えており、これが市場で最も優れたフォーマットであると今も確信している」とZDNet Franceの情報筋は述べたが、しかし「業界が指標にしているのがMP3互換のAppleのiPodであることは明らかだ」とコメントした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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