Qualcommは9日(米国時間)、液晶よりも明るく低価格のディスプレイ技術を開発した Iridigm Displayという新興企業を買収すると発表した。
Qualcomm(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)の発表によると、同社は非公開企業のIridigmの株式86%を1億7000万ドルの現金で買い取る内容の最終契約書に署名したという。この買収手続きを完了するには司法当局の承認を得て、いくつかの未公表の条件を満たす必要がある。契約が締結された時点で、Iridigmは同社の元株主であるQualcommの全額出資子会社となる。
Iridigm(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は、マイクロ電子技術システム(MEMS)のデバイスを使った新しい反射型ディスプレイ技術を開発した。同社ではこのデバイスを「Interferometric Modulator」または「iMoD」と呼んでいる。
Iridigmによると、iMoDは、現在市場で優位に立っている液晶ディスプレイ(LCD)よりも3倍明るく、同時に消費電力も少ないという。
また、IridigmのディスプレイはLCDよりも生産コストが安いが、これは携帯電話機メーカーや、新製品に携帯電話の技術を取り入れたいと考えるデバイスメーカーにとって重要な点である。ディスプレイは、各種のデバイスに使われている部品のなかで最も高価である場合が多く、その価格が下がれば携帯電話機の売上増加や携帯電話技術の採用拡大につながる可能性があると、Qualcommでは説明している。
「カメラやMP3プレイヤー、ビデオカメラ、GPS受信機、ゲーム機といった家電製品の機能をワイヤレス機器に組み込む動きが、3G CDMAの採用を促進している」と、QualcommのPaul E. Jacobs(エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)兼Qualcomm Wireless & Internet Groupプレジデント)は声明の中で述べている。
Qualcommは携帯電話業界大手の一つで、CDMA(Code Division Multiple Access)の特許を所有し、ライセンシーからの特許権使用料を受け取っている。
1996年に創設されたIridigmは、最近2度めの資金調達を完了し、2560万ドルを調達した。アナリストらの話では、同社の技術は有望だが、同社は同じように革新的なディスプレイ技術を持つ他の新興企業との厳しい競争にも直面しているという。
現在、数多くの小規模な企業で新しいディスプレイ技術の開発が進んでいるが、なかでもE-Inkや有機EL(OLED)ディスプレイは最もよく知られた技術である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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