Apple Computerにとって、新型iMacを開発する上での最大の課題となったのは、マシンの外見だけでなく内部も「クール」にすることだった。
クールといっても、別に「格好いい」ことを指しているわけではない--Appleの製品なら、どれも格好よくて当たり前だからだ。このiMacの開発にあたっては、クールさを保つ方法を見つける必要があったが、それは「(発熱で)デスクを溶かさない」ようにするためだった。
新型iMacの心臓部にあるG5プロセッサは大量の熱を放出する。実際、AppleはラップトップモデルにG5を採用するまでには、しばらく時間がかかるだろうと警告していたが、それほどG5は高温になる。
新型iMacに関しては、同社はいくつかの巧みな工夫を施すことで、熱問題を解決できたと話している。マシン底部に配置したスピーカーのそばにある空気取り入れ口も、そうした工夫の1つだ。Acerでも一部のノートPCでこれと同様の工夫を施し、スピーカーやスクリーンの周囲を通風口に使おうとしたことがある。新型iMacでは、現在最高機種のPower Mac G5のような水冷方式は取っていないが、ハードディスクのそばとG5プロセッサ近辺、そして電源ユニット内の計3箇所でファンを採用している。
「ファンをたくさん取りつければ、マシンを比較的簡単に冷却できるが、それでは大きな騒音が出てしまう。ファンを使わずにPCを冷却するのはとても難しいことだ」とJupiter Researchのアナリスト、Michael Gartenbergは述べている。「G5は熱くなりやすいが・・・このマシンは非常に静かだ」(Gartenberg)
Appleは、G5プロセッサとハードディスク、電源ユニットのそれぞれに冷却システムを配置し、マシンをささやき声よりも静かにすることに成功した、と述べている。
コンピュータ本体をディスプレイ背後に配置した点に関しては、Appleは以前に却下したことのあるコンセプトを採用している。同社が2002年1月にデスクランプ型のiMacを発表したが、この時同社の最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobsは、ディスプレイとコンピュータ本体を別々にしたおかげで薄型画面を本当に「フラット」にできたと述べていた。
しかし時代は変わった、とAppleのハードウェアマーケティング担当バイスプレジデント、Greg Joswiakは言う。前のG4モデルでは、各パーツを収納するための大きな出っぱり部分が必要だった。Appleやコンピュータ業界は当時と比べて格段の進歩を遂げており、いまではフラットで、ディスプレイ単体と比べてもそれほど厚くはない一体型のマシンを実現できるようになった。
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