「2年以内に国内シェア10%を取る」--コダック、デジカメ新製品を発表

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年07月12日 17時51分

 今から150年前の1854年7月12日、Eastman Kodakの創設者、ジョージ・イーストマンがニューヨークで産声を上げた。2001年に国内デジタルカメラ市場で苦汁をなめたコダックはいま、創業者の成功にあやかろうとしている。

 コダックは7月12日、デジタルカメラの新製品「EasyShare LS743オリンピック記念限定バージョン」を発売すると発表した。同日よりオンラインショップなどでダイレクト販売を開始する。

 同社がデジタルカメラを国内市場に投入するのは3年ぶりのこと。LS743は今年1月に米国で発表されたモデルで、日本を除く全世界で販売されている。今回発表されたモデルはLS743にJOC(第二)エンブレムをデザインしたものだ。

 コダックは1896年に開催された第1回アテネオリンピックからスポンサーとして活動しており、今回の製品も日本代表団公式デジタルカメラパートナーとして日本代表選手団全員に寄贈するという。販売は8月までの限定で、販売台数は5000台を予定する。

 画素数は400万で、独Schneiderの2.8倍光学ズームレンズと1.8インチTFTカラー液晶を備える。大きさは幅10.8cm、高さ4.9cm、奥行き3.0cm、重さは165g。SDメモリカードとマルチメディアカードに対応する。価格は2万9900円。

日本市場への本格再参入はこれから

コダックの小島佑介氏(左)とコダック・オリンピック日本代表選手応援大使に任命された辺見えみりさん

 Eastman Kodak バイスプレジデント ワールドワイド デジタルカメラ・システム開発本部長 兼 デジタルイメージング ジャパン事業部長 兼 コダック取締役副社長の小島佑介氏は今回の発表について「日本市場への(本格的な)再参入ではなく、再参入に向けて第一の幕が上がった状態」と話す。オリンピック開催に合わせ、同社のデジタルカメラを日本市場に認知してもらうことが狙いのようだ。

 「再参入は今年後半になる。もう少し時間をもらいたい」(小島氏)

 米IDCの調査によると、Kodakの2003年度コンシューマー向けデジカメの世界シェアは12.0%で、ソニー、キヤノン、オリンパスに次ぐ第4位。なかでも米国やアジア太平洋地域でシェアが高く、米国ではシェア17.9%で第2位、アジア太平洋地域では19.3%で第1位となっている。

 日本市場への再参入について小島氏は「世界市場を見ると、競合メーカーはほとんど日本企業だ。デジカメの流れは日本から始まると言っていい。日本市場は過当競争に陥っており、市場の成長が鈍化しているという話もあるが、グローバル企業として日本市場は避けて通れない」と話す。

 年内に発表する予定の新製品については明らかにしなかったが、「新たな価値を生み出すものを投入したい。(チノンを買収してできたコダック デジタル プロダクト センターという)開発拠点が日本にあり、厳しい目を持つ日本の消費者の声を製品に盛りこんでいく」(小島氏)という。

 「いつかは日本市場でもトップ3に入りたい。2年以内に2桁のシェアを取ることが当面の目標だ」(小島氏)とした。

初年度売上1億ドルのプリンタも投入

EasyShare LS743オリンピック記念限定バージョン(上)とプリンタードック

 LS743の発売に合わせ、デジタルフォトプリンタ「EasyShare プリンタードック」も同日より8月31日まで販売する。デジカメをプリンタの上に載せてボタン操作すれば写真が印刷できる点が特徴。印刷時間は約90秒で、ラミネート加工されたLサイズの写真が印刷できる。プリンタは充電器としても利用可能だ。Pictbridgeに対応し、USBケーブルをつなげば他社のデジカメでも利用可能という。

 プリンタードックは昨年春に発売された製品で、初年度は全世界で約1億ドルの売上を記録したという。価格は1万7900円、LS743とのセットは4万4800円となっている。カラーカートリッジとフォト用紙(Lサイズ40枚)がセットで1890円。いずれもオンラインショップもしくは電話、専用はがきを通じて販売する。

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