日本シーゲイトは6月9日、5Gバイトの1インチHDDを含む11製品を発表した。いずれの製品も2004年の秋から順次出荷する。
今回の新製品は、同社初の携帯機器向け小型HDDからエンタープライズ分野まで多岐にわたる。これにより、全体で220億ドル規模とされるHDD市場のカバー率を現状の70%から95%に引き上げるという。
1インチHDDのST1シリーズは、iPodのような小型音楽プレイヤー向けの製品だ。これによりシーゲイトは1インチHDD市場に本格参入することになる。回転数は3600rpmで、容量は5Gバイトと2.5Gバイトの2種類。5Gバイトの場合、約2500曲を収納できるという。「1インチHDDで5Gバイトは世界最大容量だ」と日本シーゲイト代表取締役社長の小林剛氏は話し、小型HDDで先行する日立グローバルストレージテクノロジーズや東芝などとの差別化になると自信を見せた。
日本シーゲイトは1インチHDDのST1シリーズなど11製品を発表した |
シーゲイトでは1インチHDDを使った外付けHDDの1” Externalや、コンパクトフラッシュ型の1” CF Type IIも展開する。ただし価格については明らかにしていない。
コンシューマー向けの製品としては、HDD内蔵ビデオ/DVDレコーダー向けのDB35シリーズも紹介された。回転数は7200rpmで、400Gバイト、300Gバイト、250Gバイトの3種類がある。複数のストリーム映像に対応し、番組の録画中に別の番組を再生したり、2つの異なる番組を同時に録画したりすることが可能になるという。
小林氏は今後のマーケット予測について、一部の分野では市場が飽和しているとしながらも、「家庭内機器におけるHDDの需要は伸びている。例えばデジタルカメラも大容量化へのニーズが高まっており、半導体メモリでなくHDDメモリの出番が来るのではないか」として、コンシューマーマーケットに注力する考えを示した。
エンタープライズ向けには500GバイトのHDDも
このほかデスクトップ/ノートPCやエンタープライズ向けの製品も発表された。デスクトップPC向けのBarracuda 7200.8は容量が拡大し、400Gバイト、300Gバイト、250Gバイトの3種が提供されるという。ノートPC向けのMomentusは新たに回転数7200rpmの製品が追加される。容量は100Gバイト、80Gバイト、60Gバイトの3種がある。
エンタープライズ向けとしてはストレージ向けのNL35シリーズがある。3.5インチHDDを4枚搭載し、容量は500Gバイトとなっている。小林氏は「容量がハーフテラバイトまで来た。1テラバイトにももうすぐ手が届くだろう」と話した。
米Seagate Technologyは価格下落や需要の伸び悩みを受け、経営的には苦しい状態にある。2日には世界全体で従業員の約7%に当たる2900人程度を削減する計画を明らかにしているが、この点について小林氏は「我々は何も聞いていない」と話し、コメントを控えた。
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