毎年ゲーム業界関係者が一堂に会するElectronic Entertainment Expo(E3)が来週カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるが、今年は新型のハードウェアが脚光を浴びることになりそうだ。
大手ゲーム機メーカー各社が新しいリビングルーム用マシンに関する情報をうっかり漏らすことはなさそうだが、ソニーと任天堂からはそれぞれ新型の携帯ゲーム機が登場する。
最も大きな注目を集めるのは、昨年のE3で発表されたソニーのPlayStation Portable(PSP)だろう。同社は、このハイエンド携帯ゲーム機の価格や対応ソフトなどの詳細を発表するとみられている。
PSPの発売は、日本が今年後半、北米が2005年の第1四半期となる予定。ソニーは最新の財務報告書類の中で、同社の決算日である3月31日までに300万台のPSPを出荷する計画だとしている。つまり、米国とヨーロッパの顧客は、商品不足を覚悟する必要があるかもしれない。
E3ではもう1つ、任天堂からもDSという新しい携帯ゲーム機が登場する。これは、市場をリードする同社のゲームボーイアドバンスのワンランク上を目指し、高機能画面などのハイエンド機能を搭載したものだ。
ソニーと任天堂のゲーム機は、さほど輝かしいデビューを飾れなかったNokiaのN-Gageに続いてこの市場に投入されることになる。携帯ゲーム機のユーザーは概して年齢層が低いが、N-Gageはこの市場を拡大することを目指して初めて登場してきたゲーム機だった。だが、アナリストによると、同市場のあり方を変えるという点では、新型機--特にPSPのほうがずっと可能性が高いという。
調査会社DFC Intelligence社長のDavid Coleは、「携帯ゲーム機市場は必ずしも子どものためである必要はない。異なるターゲットに向け、適切な製品を適切な価格で投入することが問題だ。ソニーは全く違う角度から参入しようとしている」と述べている。
Coleは、ソニーの方が任天堂によるゲームボーイのフランチャイズ制度より条件が緩いため、PSPはそのメリットを享受できる、と話している。
「携帯ゲーム機市場の問題は、任天堂にとっては利益の大きい市場でも、そのほかの企業にとってはそうでない点だ。サードパーティーのゲームソフト制作会社は、そこでビジネスモデルを見つけ出すのに相当苦労した。ソニーは、サードパーティーが存立できるビジネスモデル作りのためにあらゆる処置を講じており、ゲームソフトの品揃えにそれが反映されるようになると思う」(Cole)
調査会社IDCのアナリスト、Schelley Olhavaも、PSPには携帯ゲーム機市場を変えるポテンシャルがあるとしている。「彼らはかなり魅力的な機能を用意しているし、ソニーというブランドはゲーム分野では非常に強力だ」(Olhava)
それに比べ、任天堂のDSのほうは未知数の部分が多い。これは同社がE3でのお披露目前にはその詳細を明らかにしたがらなかったためだ。
「DSについては、どんな感じのものなのかよく分からない。既存のGame Boyユーザーの一部に向けて、買い換えさせることを狙っているのか。それともまったく新しい対象をねらっているのか。任天堂はこれまで核となるユーザー向けにはとても素晴らしい製品を出してきた実績があるが、しかしユーザー層を広げることには苦戦してきている」(Cole)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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