携帯電話最大手のNokiaは14日、ゲーム端末N-Gageの新機種を発表する。初めての大幅改訂版となるこのモデルでは、売上が伸び悩む現行機種の問題を設計とビジネスの両面から解決しようとしている。
「N-Gage QD」は6月後半に販売開始予定で価格は199ドル。新バージョンは、オリジナル版と比べて20%小型化しており、携帯電話としての使い勝手を改善するために新たに設計されている。
Nokiaが携帯電話機能やゲーム用最新グラフィック、ビルトインのMP3プレイヤーなどを搭載したハイエンドの多機能端末として、N-Gageを売り出したのは昨年のことだ。
だが、このゲーム端末にはさまざまな批判が浴びせられ、消費者は関心を示さなかった。Nokiaの幹部も、N-Gageの販売が予想値の最低ラインにとどまっていることを認めている。
N-Gageに対する批評は主として、端末の物理的なデザインに集まった。この端末を電話として利用する際には、ユーザーは端の部分を持たなければならず、またゲームカートリッジ交換のためには電池を取り外さなければならなかった。これに対して、最新のQDでは、スピーカーとマイクが前面にあるため、携帯電話として利用するときもそのまま平らに持てばよい。ゲームカートリッジ挿入用のマルチメディアカードスロットも使いやすい場所に搭載した。
「ここ数カ月、N-Gageでたくさんのことを学んだ」というのは、Nokia米国支社エンターテインメントメディア担当ゼネラルマネージャのNada Vsina。同氏は「消費者からの反応に耳を傾け、実際に消費者が不満に感じた点を解決するよう取り組んだ」という。
現行のN-Gageは、通信回線接続オプションを活用できるゲームが少なかったことでも酷評された。現在、GSM接続を介してマルチプレイヤー接続が可能なゲームは3つしかない。Vsinaによると、Nokiaは最新のN-Gageで動くゲームが年末までに新たに50タイトル登場し、そのうちの75%は、N-Gage Arenaサービスを介してマルチプレイヤーセッションを提供するという。
またNokiaは、「N-Gage QD」の販売に関して店頭での露出にも力を入れ、初めて携帯電話キャリア経由でこの端末を提供する。現在の流通経路は、ビデオゲーム専門店と大型電気店が中心だ。
ソニーが大きな話題を集めているPlayStation携帯端末で携帯ゲーム市場を握ろうとしているが、NokiaはN-Gage QDを6月に発売することで、ソニー参入の前に消費者の興味をあおる数カ月間の時間を得ることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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