携帯端末業界にとって、ホリデーシーズン後の出荷台数の落ち込みは、例年より少し深刻だった。
それまで2期連続して成長していたPDAなど携帯端末の全世界における出荷台数が、2004年第1四半期には再び減少に転じた。調査会社IDCのレポートによると、ある程度の減少は予測されていたが、今回は例年を上回る落ち込みだったという。同社では、エントリレベルのユーザーが製品の購入を控えたためだと説明している。
IDCは米国時間27日、携帯端末市場に関する第1四半期のレポートを発表した。このレポートによると、同四半期の出荷台数は前年同期と比べ11.7%減少し、220万台になったという。携帯端末市場にとって、第1四半期は毎年販売が低迷する時期だが、今年は、好調だった2003年第4四半期の影響をまともに受けてしまったようだ。同レポートによると、2003年第4四半期に比べ、2004年第1四半期は出荷台数が33.1%も落ち込んだという。
「米国の市場は、ローエンドモデルを指向するようになってきており、手頃な価格の製品を探している購入者の多くは、ホリデーシーズンに買物を済ませた」と、IDCアナリストAlex Slawsbyは述べている。「全体的な市場は成長軌道へ戻るが、米国市場はわずかながらも減少傾向が続く。成長が見込まれるのは、西ヨーロッパやアジア太平洋地域だ」(Slawsby)
米国では300ドル以上のハイエンド製品の販売が振るわない、とSlawsbyは付け加えた。同氏は、PalmOneが18カ月で300万台のZireを出荷したと指摘したが、それでも全体的な出荷台数は伸び悩んでいるという。成長が振るわない理由の1つは、PalmOneの携帯電話とスケジュール管理ソフトを統合したハイエンド製品Treo 600の供給が不足していたことだという。また、ハイエンドセグメントに関しては、Hewlett-Packard(HP)やDellも不振だったと同氏は述べた。
同レポートでは、メーカー各社が春の新製品発売を控え、製品ラインを縮小していたことも挙げている。PalmOneは、Zire 72(299ドル)とZire 31(149ドル)の2機種の新型Zireを28日に発表すると見られている。
PalmOneは市場シェアで首位を守ったが、ただし同社のシェアは39.4%から36.1%に減少した。PalmOneが第1四半期に出荷した端末の台数は81万183台だった。HPは57万7615台の端末を出荷し、シェア25.7%で2位につけた。業界大手のなかで前年同期比で最大の伸びを達成したのはHPで、出荷台数24.8%の増加を記録した。ソニーのシェアは9.3%に落ち込み、これに7%のDell、2.2%の東芝が続いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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