Intelは2004年をCentrinoの年にしたいと考えている。
Intelの関係者によると、同社は、米国をはじめ世界各国のノートPC愛用者の間で、「Centrino」チップバンドルの採用を拡大するため、テレビ、雑誌、インターネット、屋外看板など各種メディアを使った新たな広告キャンペーンを米国時間23日から開始する予定だという。
Centrinoはおよそ1年前からすでに販売されており、2003年の夏から一般ユーザー向けにも販売されている。だが、これらのユーザーにはあまり浸透していないのが実情だ。アナリストやPCメーカー各社によると、これまで販売されたCentrinoあるいはPentium Mプロセッサ搭載のノートPCの大半は、企業が購入したものだという。Intelの新しい広告キャンペーンの目的は、一般ユーザーの関心をCentrino搭載のノートPCに向けさせることにある。
新しい広告キャンペーンでは、電気コードや、モデムあるいはイーサネット接続用のケーブルなどのくびきがなくなり、無線ネットワークを利用してメールをチェックしたりネットサーフィンを楽んだりできるといった、Centrinoプロセッサ搭載型ノートPCならではの機能を前面に押し出す予定だ。Centrinoバンドルは、Pentium MプロセッサやIntel製チップセットと共に、802.11の無線モジュールも内蔵する。当初CentrinoではIEEE 801.11b標準しかサポートしていなかったが、Intelは最近、802.11b/g対応のデュアルバンドモジュールを内蔵するアップグレード版を発売した。それ以来、ノートPCの最新機種にはデュアルバンドモジュールが採用されるようになっている。
また、バッテリーの寿命が長持ちする点も、Centrino搭載ノートPCの特徴の一つだ。ただし、これだけのメリットがあっても、Intelは消費者の嗜好を変えることがいかに大変なことかを思い知ることになるだろう。多くの消費者は、本体の重量やバッテリーの寿命はさほど重要視していないからだ。
Centrino対応ノートPCよりも、むしろデスクトップPCの代わりとして使用される大型のノート型PCが、このところ人気を集めるようになっている。Hewlett-PackardのPavilion zd7000などのモデルは、比較的低価格にも関わらず、最大17インチの大型画面やクロック速度が最大で3.2GHzのプロセッサを搭載するなど、デスクトップPCに匹敵する性能を誇る。これだけの機能を備えれば、本体の大きさや重量は増し、逆にバッテリーの寿命は短くなるが、購入者の多くはその点は気にしていないようだ、と各パソコンメーカーは指摘する。
ただし、各メーカーによると、Centrino搭載のノートPC も、2、3台目のノートPCの購入者や、頻繁に旅行をする人などの間では人気があるという。米国ではこのチップをバンドルした製品が徐々に売上を伸ばしており、昨年12月には小売店で販売されたノートPCのうち10.8%を占めた。この数字はこれまでで最も高いと、NPD TechworldのアナリストSteve Bakerは指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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