新しい年を向かえ、また新たな小型メモリカードが登場する。
家電メーカ-のつくるコンソーシアム「Universal Transportable Memory Association」(UTMA)は来週、メモリーカードの新しい規格を発表する。この規格のメモリカードは、SDカードよりも小さい切手サイズで、USBコネクタでコンピュータなどの機器に接続される。
UTMAの広報担当者Michael Minnemanは28日(米国時間)、CNET News.comに対し、この規格は新しく結成されたコンソーシアムUTMAが独自に生み出したものであると語った。同規格は、2つのフラッシュメモリチップを1つのパッケージに実装する点では、現在SanDiskなどのメーカーから出ている既存の高密度のカードと同じだが、チップの配置が上下ではなく並列になるという。
最初に登場するカードのデータ容量は1GBになるが、その後2つのチップの密度を高めながら、カードのデータ容量を増やしていくとMinnemanは説明した。
「カメラメーカーからの強い要望がきっかけになった。このメモリのサイズはSDカードよりも小さい」(Minneman)
UTMAは、新しいカードの設計に加え、データをソートするための新しいアーキテクチャ「Task Automated Data Structure」も発表する予定だ。
しかし、ユーザーは、なぜメモリカードの新しい規格が必要なのか疑問に思うだろう。現在、フラッシュメモリ搭載のカード規格には、メモリースティック、SDカード、CompactFlash、MultiMediaCard、xD-Picture Card、Smart Mediaなどがある。これらの規格は、市場の覇権を求めて競い合い、ユーザの間に混乱を引き起こし、機器間の互換性が確保できないという望ましくない状況を招いている。さらに、すでに市場に出回っている様々なカード規格を支持する企業では、それぞれのカードの小型版を売り出しもしく開発中である。
それでも、これらのメモリーカードの売上は飛躍的に成長しており、各メーカーにとっては、そのことがカードの基本的な技術や設計を改善する動機付けとなっている。調査会社IDCによれば、全世界のフラッシュメモリカード市場は、2002年に17億ドルの売上規模となり、また2003年には推定で100%以上増加したという。
「アジアの通信業者はすでに、メモリカードを携帯電話機に搭載し始めている。これはフラッシュカードにとって、とても大きなチャンスだ」と、IDCのアナリスト、Mario Moralesは、今月はじめに行われたインタビューの中で述べている。
携帯電話機に加えて、デジタルカメラやMP3プレーヤー、さらに松下電器(Panasonic)が今月CESで発表したような小型のビデオカメラでも、小型のフラッシュメモリカードは使われている。
一方、日立や他のメーカーは、超小型ハードディスクを売り出している。これらの製品はデータ保存容量の点ではフラッシュメモリ製品に勝るものの、信頼性や衝撃に対する強度の点では、必ずしも優れているとはいえない。
なお、UTMAのウェブサイトには、2月5日に、さらに詳細な情報を発表すると記されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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