ソニー、自社技術を活用した体験型ミュージアムをリニューアル

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年12月12日 12時31分

 ソニーは12月11日、お台場メディアージュにある体験型ミュージアム「ソニー・エクスプローラサイエンス」のリニューアルオープンに先立ち、報道陣に内容を公開した。ソニーが開発する最新エレクトロニクス技術を利用した様々な展示を用意し、子どもたちに科学技術の面白さを体験してもらうのが狙いだ。一般には13日から公開される。

 ソニーは1972年にソニー教育振興財団を設立するなど、古くから科学技術教育の支援に力を入れている。ソニー・エクスプローラサイエンスは2002年7月にオープンし、現在までの来場者数は12万人という。今回のリニューアルではフロアを100坪拡大し、新たに16の展示品を追加した。またフロアが2つのゾーンに分けられ、科学の原理原則を体験する「サイエンスワンダー・ゾーン」と、ソニーグループ内で開発されたデジタル情報処理技術を使った展示を集めた「デジタルドリーム・ゾーン」ができた。

 会場ではソニー代表執行役会長の出井伸之氏と日本科学未来館 館長の毛利衛氏の対談が行われ、「科学を身近にふれあえるようにするのがソニーの使命だ」(出井氏)、「展示に触れて学んだらぜひ本物の自然に触れて欲しい。それこそが本当の科学教育だ」(毛利氏)と語った。またソニーのロボット「QRIO(キュリオ)」が登場し、ダンスを披露した。

左から日本科学未来館 館長の毛利衛氏、ソニーのロボット「QRIO」、ソニー代表執行役会長の出井伸之氏

 今回追加された展示の中でも目玉となるのは、「スタープロジェクター」という名前の光学式恒星投影機を利用したプラネタリウムだ。半導体製造技術を応用し、約170万個の恒星を投影する。従来のプラネタリウムで投影される数は9000個から2万個といい、「100倍近い恒星が表現できる」(ソニー・エクスプローラサイエンス プロデューサーの岸貴展氏)と胸を張る。

 岸氏が「エンタテインメント型プラネタリウム」と呼ぶように、この展示はタイムトラベルができる宇宙船に乗って満天の星空の中を宇宙旅行するという設定になっており、松下電器産業が提供している東京ディズニーランドのアトラクション「スター・ツアーズ」に近い。利用者は宇宙船を模した施設の中に入り、世界各地から観測できる星空の様子を眺めたあと、宇宙の始まりとされるビッグバンから太陽系の創生、太陽が滅びるまでの様子を見ることができる。ただしスター・ツアーズのようにストーリーに合わせて座席が揺れ動くといった設備はなく、ゆっくり座ってプログラムを鑑賞できるようになっている。

丸いボールのような形のロボット「Q.(キュー)」

 ミュージアム内には、ソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)で開発された「ハイパースキン」というセンサーを活用し、ディスプレイに触れて映像を変化させるコンテンツも多数展示されている。ハイパースキンは人間の導電性を利用し、人が手をかざしたときの静電容量を感知して、映像に反映させるもの。会場では、ディスプレイに映し出された本をめくるようになでると本物の本のようにページがめくれたり、椅子に座ると映像が映し出されるといった展示がされている。また、光や音、動きなどの刺激に反応して動く丸いボールのような形のロボット「Q.(キュー)」も展示されている。

 ソニー・エクスプローラサイエンスは入場料が大人(16歳以上)500円、小人(3〜15歳)300円。営業時間は11時〜19時(最終入場は18時30分)となっている。

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