ノースカロライナ州ローリー発-- 米IBMは、最も有名で、最も議論を呼んだデザインの1つである伸張式のButterflyキーボードを採用したノート型PCの実験を、いま改めて進めている。
同社が最初にButterflyキーボードを発表したのは、1995年3月で、この時にはThinkPad 701Cに搭載していた。ノート型PCの画面を開くと、横にスライドして伸び、画面よりも幅が広くなるという、このキーボードの異例のデザインは称賛を浴び、マシンはニューヨーク近代美術館のデザインコレクションの1つに加えられた。
これだけの賞賛を浴び、当初は人気を集めたデザインだが、だれもが感動したわけではなく、一部からはキーボードに支えがなくタイピングしにくいとの不満が出た。IBMはその後、ノート型PCの大画面化でフルサイズのキーボードでもフィットするようになり、折り畳み式のものは不要になったとして、同シリーズの生産を中止してしまった。
しかし、当地にある同社デザインセンターでは、Butterflyに似た技術を採用する各種デザインの研究を継続してきた。サブノートブックのプロトタイプの1つは、同様の折り畳み式キーボードを採用している。だが、これはオリジナルのButterflyのように中心から左右方向にスライドするのではなく、右側だけをマシンの底部から取り外し、これを本来の場所に固定して、フルサイズのキーボードを完成させるようになっている。
ほかにも、デザインディレクターのDavid Hillが「折り紙のようなマシン」だと表現するシステムが2つあり、ノート型PCの画面を別のアームで上方に持ち上げたり、キーボードに角度を付けるなどして、フラット画面型のデスクトップPCと見分けが付きにくいシステムを完成させ、ノート型PCクとデスクトップPCの境界線を曖昧にしようとしている。これらのモデルの1つも、キーボードを完全に取り外すことができる。
Hillは、こうしたデザインを商品化する計画は今のところないと強調したが、需要があればこれを実現しない理由は社内にはないとも語った。
「実現に必要な技術はさほど高度なものではない」(Hill)
デスクトップとノート型PCのデザインを融合させる大きな動機の1つが、後者の人気の高まりだ。IDCのアナリスト、Loren Loverdeは今月初めに、「ノート型PCの販売は、現在も驚異的な成長を続けている」と注目していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス