米Intelは、ダブルジョイント式の新しいノートパソコン、Florenceのプロトタイプを完成した。キーボードを内蔵し、手書き文字を認識するタブレットからモバイルエンターテインメント装置へと姿を変える。正式な発表はこれからとなるが、ノートパソコンの将来の姿を想像させるデザインだ。
Intelの研究所の設計者らは、既存のコンポーネントを利用したノートパソコン設計の可能性を示すために、Florenceを開発した。このプロトタイプでは、同社のこれまでの設計のほか、米MicrosoftのWindows XP Tablet PC Editionを搭載した、いわゆるコンバーチブル型タブレットPCを参考にした。コンバーチブル型タブレットPCは、液晶パネルを180度回転させて折りたたみ、手書き入力用タブレットにすることができる。
プロトタイプ設計を担当したNick Oakleyは、「(設計の)ヒントはレストランでよく見かける、内側と外側の両方向に開くドアだ。これをどうにかノートパソコンに応用できないかと考えた」と振り返る。
プロトタイプ自体は、ピンと蝶つがいで留められただけの無造作な造りだ。しかしパソコンメーカーは、Pentium Mや手書き認識対応の12インチのタッチパネルなど既存の技術を利用して、製品化できる。
新たなデザインを施すことは、近頃とみに重要な課題となりつつある。かつてパソコンはなんでも売れたが、景気が低迷し、消費者や企業が低価格製品に目を向ける傾向にあるため、パソコンメーカーは四苦八苦している。新しいヒット商品を生み出せば、今後のパソコン販売の再活性化につながるかもしれない。
ノートパソコンの出荷台数は、世界パソコン市場の24%近くを占めており、ここ数年間で順調に売り上がを伸ばしている。大部分のメーカーとアナリストらは、やがてノートパソコンがパソコン出荷台数全体の半数を占めるようになるとみている。ノートパソコンはデスクトップパソコンよりも設計や構築が難しいが、製品価格も高いため、メーカーにとっては収入を伸ばすビジネスチャンスとなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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