Transmetaは15日、六本木のベルファーレにて記者会見を行い、米国で開催中のMicroprocessor Forumにて発表された新マイクロプロセッサEfficeon TM8000を日本でも紹介した。トランスメタ日本法人の代表取締役社長、村山隆志氏は、「これまでのCrusoeはおもに組み込み機器などに向けたプロセッサとして展開し、Efficeonはハイエンドシステムに搭載されるものとなる」と述べ、これまで同社が踏み込んでいなかったメインストリームPCなどの市場にも積極的に進出する意欲を見せた。
Efficeonとは、効率化を意味するefficiencyと、新しい時代を意味するeonを組み合わせて作られた名前。村山氏は、Efficeonが同社のこれまでのプロセッサや他社競合製品より高性能で電力効率が高く、コスト効率もいいものだと主張、x86に完全準拠するマイクロプロセッサとして今後はメインストリームのコンシューマー向けノートブックをはじめ、タブレットPC、薄型デスクトップ、ブレードサーバなどに向けても同チップを提供していきたいと語った。
会見では米Transmeta創設者で最高技術責任者のDavid Ditzel氏もビデオプレゼンテーションに登場、数々のベンチマークの結果を元に、競合製品となるPentium4やCentrinoとの性能比較を示した。これによると、Efficeonのクロックあたりの整数性能は、Pentium4と比べた場合最高2.3倍の性能があり、7ワットTDP(最大熱設計電力、7ワットTDPはファンのないノートブックシステムの上限とされている)での最大MHzがCentrinoの場合900MHzであるのに対しEfficeonでは1100MHzであること、アイドル時の消費電力がCentrinoは1.45ワットであるのに対しEfficeonでは0.18ワットであることなどを発表した。
トランスメタ日本法人の代表取締役社長、村山隆志氏 | |
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Transmetaでは同時にEfficeonのサポートを表明したパートナーを発表しており、日本でも富士通やシャープなどが今後同チップ搭載製品を発表する予定。ただ、製品化の時期については現在のところ発表されていない。ファウンドリとしては、現在1GHzのCrusoeを製造しているTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が引き続き130nmプロセスでEfficeonの製造を、また90nm世代のEfficeon製品については富士通がファウンドリの第1号となることを先日発表している。
TransmetaはCrusoeでモバイルコンピュータ市場におけるシェア拡大を目指していたが、村山氏が認めるとおり同社のシェアはあまり高いとはいえないのが現状だ。ただ同氏は、Efficeonがシェア拡大に向けて可能性が高い製品であり、新しい市場をもターゲットにすることから、「(具体的に何%までシェアを伸ばすといった数字は言えないが)1年後には飛躍的にシェアを伸ばしていきたい」としている。
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