トランスメタ、ノースブリッジを統合したプロセッサ

 米Transmetaは、TM8000(開発コード名Astro)プロセッサで全く新しいアーキテクチャを採用するという。同社が米国時間3月9日にTM8000の詳細を明らかにした。

 TM8000では、プロセッサとメモリをつなぐノースブリッジを統合するほか、LSI間のデータ伝送技術HyperTransportを採用する。現在のプロセッサは、比較的低速のバスを介して、信号をノースブリッジに送っている。ノースブリッジを統合することにより、こうした低速バスが不要になるため、既存のパソコンが抱えているボトルネックを解消できる。また、HyperTransportは400MHzで動作し、「現行のパソコン内部で採用されているLSI間バス技術より高速」(Transmeta)という。

 なお、Advanced Micro Devicesが近々発売するAthlon64でも、同様の統合メモリコントローラとHyperTransportが採用される。

 このほかTM8000は、1回のクロック周期につき最高8つまでの命令を処理できる新たなプロセッシングコアを搭載する。現在のTransmeta製チップでは、同時処理できる命令は最高4つまでだ。Transmetaによると、同時に処理するデータ量が倍増することでパフォーマンスを向上しつつ、電力消費量の節約も実現するという。

 TM8000の競合製品は、Intelが5日に発表したばかりのノートパソコン向けプロセッサ、Pentium-Mになるとみられる。Pentium-Mは低電力消費が売りで、Intelは3億ドルをかけた大々的なマーケティング戦略を用意している。

 このような競合製品の存在はあるものの、TM8000の発売時期は時宜にかなっている。消費者は以前よりも省電力消費に注目し始めており、省電力消費はTransmetaが注力してきた分野だからだ。同社が2000年に低電力消費のCrusoeプロセッサを発表した時には、メーカー各社はこれに飛びついたが、消費者はあまり興味を示さなかったのだ。

 TM8000の発売は第3四半期を予定している。チップ製造は、台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturingが130ナノメートルの半導体技術で製造する。ソニー、シャープ、Hewlett-Packardが自社製品にTM8000を採用することを決めている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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