米Intelからまもなく発売される新チップパッケージにより、携帯電話メーカーは電話機にいっそう多くのメモリを搭載できるようになる。メモリの大容量化は、電話を小型コンピュータに変身させる上で重要な要素だ。
新StrataFlash Wireless Memory Systemは、従来1つか2つのチップしか入らなかった限られたスペースに、4つのメモリチップを挿せるようにする技術だと、Intelのバイスプレジデント兼フラッシュ製品グループ総合責任者、Curt Nicholsは述べている。この新パッケージを利用すれば、電話機に1Gビットものメモリを搭載できるようになる。
携帯電話はメモリを大量に消費する。携帯電話に搭載されるメモリ量は、これまで2年毎に倍増してきた。消費者が、予定表やウェブアクセスなど、通常デスクトップマシンで扱っていた機能を携帯電話で行なうようになり始めた現在では、増加のペースがさらに速まり、15カ月毎に倍増している状態だとNicholsは説明した。
「韓国では、テレビ放送やMTVのようなビデオを携帯電話にダウンロードできる」とNicholsは言う。また日本や韓国の消費者は、携帯電話を使ってテレビ電話をしたり、その内容を記録したりといったことも行い始めている。
新パッケージシステムでは、携帯電話メーカーが、異なる種類のデータを別々のチップに分けて処理できるのが、重要な特徴の1つだ。たとえば、あるチップはオペレーティングシステム(OS)と電話アプリケーションの保存に使用し、別のチップを所有者データの保管場所として利用する、といったことが可能となる。現状では、同じチップ上に全てのデータが存在してしまう可能性がある。
4層のパッケージには、合計で最大1Gビットのメモリ(256Mビットのチップを4個)を搭載できる。現在、Intelのパッケージでは多くても2個のチップしか搭載できない。新パッケージには、ホストデバイスの電源がオフでもデータを保持できるフラッシュメモリと、フラッシュメモリに保存されたイメージを表示するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)が収容できる。携帯電話は現在も、フラッシュメモリの最大の市場となっている。
このパッケージでは、チップは垂直に積み重ねられる形となる。Intelは高さを抑えるため、チップ裏面をやすりで削っている。
Wireless Memory Systemは、主にIntelのStrataFlashメモリチップ製品シリーズ向けに設計されている。StrataFlashは各メモリセルに、通常のフラッシュチップメモリの2倍にあたる、2ビットのデータを保持できる。
すべての携帯電話メーカーが、4メモリのチップを必要とするわけではなく、また構成も同じものにはならないだろう。コードを保存するためにもっと多くのメモリを求めるメーカーもあれば、もっとストレージ容量が欲しいというメーカーもあるかもしれないと、Nicholsは話している。
Intelでは、現在サンプルを生産中で、2004年第1四半期には大量生産に移るとしている。このパッケージを搭載した携帯電話機は、第1四半期の末から第2四半期の始めにかけて市場に登場すると、Nicholsは付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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