日本AMDは24日、64ビットPC用プロセッサ、AMD Athlon 64を発表した。「64ビット処理へのニーズは高まっている。この分野はプロプライエタリな技術が幅を利かせていたが、パートナー企業からは“独自技術には興味がないので、業界標準を開発してほしい”との声があがっていた。本日発表する製品は、市場やパートナーからの要望に応えたものだ」と、今回の発表にあわせて来日した米AMDエグゼクティブバイスプレジデントのRob Herb氏は述べた。
AMDでは今回発表されたプロセッサのターゲットとして、デジタルメディアや3Dモデリングソフトウェアなどハイエンドなアプリケーションで成果物を作り出すユーザーや、ゲーマーなどをあげている。一般コンシューマー向けの64ビットプロセッサは同社製品が初となるため、このような分野で注目を浴びることは確か。ただ本格的な64ビットプロセッサの普及に向けては、エンドユーザーに直接販売されるアプリケーションやPCがどの程度同プロセッサをサポートするかにかかっている。AMDでは、現在64ビットプロセッサをサポートしている製品は少ないとしながらも、Athlon 64は32ビットおよび64ビットの双方をサポートするため、現行の32ビット製品を使いつつ、64ビットコンピューティングへの移行がスムーズに行えるとしている。
堅い握手を交わす日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏(左)、マイクロソフトマーケティング担当取締役のAdam Taylor氏(中央)、AMDエグゼクティブバイスプレジデントのRob Herb氏(右) | |
現在のところ、今回発表されたAthlon 64をサポートすると発表しているのは、Microsoft、富士通、ソーテック、HPなど。Microsoftは今回のAMDの発表に合わせ、64ビットPC用のWindows XPベータ版をリリースした。また富士通は、同プロセッサ搭載の省スペース型デスクトップPC、FMV DESKPOWER C series C90EW/Cを発表している。さらに、ソーテックやアロシステム、エムシージェイなどが国内でAthlon 64搭載システムを発売する予定。なお、一部報道によるとNECもAthlon 64搭載製品を発表するとされていたが、「国内でそのような製品を発表する予定はない」(NEC広報部)としている。
果たして一般ユーザーに64ビットプロセッサは受け入れられるのだろうか。パートナー企業としてAthlon 64対応のマザーボードを発売する予定であるギガバイトテクノロジーの森川和浩氏は、多くのユーザーは現在のPC環境に満足しているだろうとしつつも、「本当にコンピュータが好きな人たちは、新しい製品が出るとどうしても試してみたくなる。そういう人たちには受け入れられるだろうし、個人的には大変魅力を感じる」と述べている。
また、ブランド志向の強い日本ではインテル製チップに注目が集まりがちで、AMD製品がいかに勝負できるのかという点も気になるところだが、「AMD製品はコストパフォーマンスがいいということに加え、一般的にゲームや映像などの分野では人気があるといわれている。また、インテルから一般ユーザー向けの64ビットプロセッサが出ていないことも、今回の製品が注目される理由になるのではないか」(森川氏)とのことだ。
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