長年にわたり、単一の記録型DVDフォーマットしかサポートしてこなかった米Apple Computerが、同社の新しいオペレーティングシステム(OS)で、限定的ながらも競合フォーマットのサポートを追加することになった。
Appleは長年、DVD-Rフォーマットのみを支持してきたが、来週出荷されるMac OS Xの新バージョン「Panther」では、DVD+RとDVD+RWのサポートも追加することを、13日(米国時間)認めた。ただし、これらのフォーマットがサポートされるのはデータバックアップのみで、iDVDやiTunesなどのメディアアプリケーションではまだサポートされない。
しかし、-Rフォーマットはより多くのDVDプレーヤーで使用されていると主張し、今までDVD-R標準しかサポートしてこなかったAppleにとって、DVD+RおよびDVD+RWのサポート追加は戦略変換となる。同社はこれまでにも、出荷するマシンに、+Rと-Rの両標準での書き込みが可能なソニー製ドライブを搭載したことがあるが、その際には+Rの機能をオフにしていた。
Appleの関係者は、今回のサポート追加は顧客からの要望に応じたもので、その多くはサードパーティのDVD書き込み機器を所有している、と説明した。Appleは、iDVDなどAppleアプリケーションの今後のバージョンで、DVD+Rサポートを追加するかどうかについては発言しなかった。
Appleにドライブを供給しているパイオニアは、DVD-Rドライブの大手メーカーの1つだが、今年5月に、DVD-RとDVD+R両フォーマットをサポートすると発表している。米Microsoftも両フォーマットのディスクのサポートを追加した。
2つの競合フォーマットの間の熾烈な戦いは、何年にもわたって激しさを増している。
DVD+RWフォーマットは当初、米Dell Computerや米Hewlett-Packard(HP)などのパソコンメーカー数社から支持を受けていた。一方、パナソニックや日立などの家電メーカーは、競合するDVD-RWフォーマットを推していた。
しかし米Compaq Computerが、+RWフォーマットの不動の支持者であるHPに買収されると、-R陣営は主要なサポーターを失った。ソニーもDVD-R陣営から離れ、両フォーマットの読み書きが可能なドライブを供給するようになった。
またDVD+RWフォーマットは、当初は競合フォーマットに比べ互換性が低いと考えられていたが、現在ではほとんどのDVDプレーヤーでサポートされている、とアナリストらは述べている。
なお、Appleのサポート追加の動きは、必ずしも-Rフォーマットの敗北を意味するものではない、と-Rフォーマットを支持する側ではコメントした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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