本書ではマッキンゼー、リクルート、Google、そして楽天などの企業に勤めてきた尾原和啓氏が、過去・現在・未来のITビジネスに対して、鋭い洞察と考察を著している。同じように見えて実はまったく違う、あるいは違うように見えるが実は同じというものが、ITビジネスにも多く存在するようだ。そこを見誤らないようにしないと、自らの関わるITビジネスが、今後発展していくのか頭打ちになってしまうのか、大きく変わってしまうことにもなりかねない。
尾原氏は、Googleから楽天に転職したことで多くの人から不思議がられたようだ。転職の理由は本書で明らかになるが、「なぜか」という説明は、本来なら一言で済んでしまうようなものだ。だが「なぜ、Googleから楽天に転職したことを、皆が不思議がるのか」ということを突き詰めると、ITビジネスそのものの捉え方の違いになるのだろう。ITビジネスがこれまでに築いてきたもの、ネット上で今起きていること、そして今後ITが向かっていく先……。ITビジネスに関する事実と、事実から導き出される予測を、これほど分かりやすく説明してくれる本はほかにないだろう。
渦中にいると分からなかったことも、一歩外に出て見ると、全体を俯瞰できて分かりやすくなることがある。本書は、ITビジネスにそのような視点をもたらしてくれる。現在、ITによってサービスを作り出す側にいる人はもちろんのこと、そのサービスを使う側の人も目を通しておくべき1冊。
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