日本ネティーザは6月30日、米Netezza Corporation(以下、Netezza)の社長兼CEOであるJim Baum氏の来日にあわせて記者説明会を開催した。6月21〜23日に米国ボストンで開催されたNetezzaのユーザーカンファレンス「Enzee Universe Boston 2010」で発表された製品に関する新たなトピックの報告と、同社のアドバンストアナリティクス(高度情報分析)への取り組みが紹介された。
2000年に設立され、データウェアハウジングやデータマイニング、BIに向けたソリューションを提供するNetezzaは、小売、金融、通信、医薬、デジタルメディアなど、グローバルで350社以上の顧客を抱える。日本でもNTTドコモやサッポロビール、オリンパス、モスフードサービスなどが製品を活用中だ。「日本でビジネスを開始して数年、すでに大きな成功を収めており、日本市場に大きなコミットメントを持っている」とBaum氏は語る。
2009年秋に発売したデータウェアハウス(DWH)アプライアンス「Netezza TwinFin」(以下、TwinFin)は、従来のDWHシステムに比べ、3分の1のコストで10〜100倍のパフォーマンス向上が期待できるという同社主力の製品だ。
「既にワールドワイドで450以上のラックに納められ、トータルで50ペタバイト分のデータ分析が可能になっている」(Baum氏)
ユーザーカンファレンスではTwinFinの導入事例がいくつか発表されたが、Baum氏は特徴的な2つの事例を紹介した。
85のウェブサイトを管理し、加入者を募ることで収益を得ているDemand Mediaは、TwinFinによってBIを構築し、さまざまな分析軸によって自動的に顧客がどんなコンテンツを必要としているのかを分析しているという。例えば、オンラインコミュニティの「eHow.com」では、数十億ものデータをマイニングすることでサイトにアクセスするユーザーのニーズを洗い出し、どのようなカテゴリの記事を掲載するかを分析、改善している。
もうひとつ、メジャーリーグベースボール(MLB)オフィスの事例では、TwinFinを活用することでBIとデータマイニングを行い、今後どのチームの選手が活躍しそうかを予測ししている。予測結果は、各選手との契約交渉の際にも利用され、契約金を算定するといった使い方も始まっているとする。
またBaum氏は、今後のNetezzaの製品戦略を解説した。
第1に、アプライアンスファミリの拡大を続けるという。「主力のTwinFinは数テラバイトから1ペタバイトまでの容量をカバーし、プライスリーダーとしてのコストパフォーマンスも実現している。今後は機能の簡素化にも着手し、使い勝手の高さや管理の容易性を重視して開発を行う」という。
その一例が、2010年1月にリリースした小中規模向けのDWHアプライアンス「Netezza Skimmer」(以下、Skimmer)である。大規模なハブ&スポーク型のエッジアプライアンスやデータマートでの利用を想定したもので、小型化も行われている。TwinFinと組み合わせることでテストや開発システムとしての活用も可能だという。
さらに、ハイエンド製品となる「Netezza Cruiser」(以下、Cruiser)を2010年末までに出荷する予定だ。容量を10ペタバイトまで拡大し、テラバイト単位のコストが最も低いシステムとなる。クエリ可能なアーカイブやDR(災害復旧)、バックアップなどの機能をサポートする。
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