「現状出ているサービスの中では、AWAが一番クオリティが高いと胸を張っていえる。当初は曲数が足りなかったが、いまでは3000万曲を超え、検索など細かい機能も充実させた。楽曲面でも機能面でも国内最高峰といえる」――サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏は、ローンチから約1年半が経過した音楽聞き放題サービス「AWA(アワ)」の手応えをこのように語る。11月7日から提供を開始した、新たな「Freeプラン」の狙いを聞いた。
AWAは、エイベックス・デジタルとサイバーエージェントの合弁会社AWAが運営する定額制の音楽聞き放題サービス。楽曲を検索してオンデマンド再生できるほか、ユーザーが作成したプレイリストの音楽を、ポップ、ダンスなどのジャンルや、ハッピー、リラックスなどのシーン別に探して、ラジオのように流して楽しめることが特徴だ。個々のユーザーの音楽の嗜好性に合わせてプレイリストをリコメンドする機能も備えている。
2015年5月末に提供を開始したAWAは、2016年8月に900万ダウンロードを突破し、間もなく1000万ダウンロードに達する見込みだという。「サブスクリプションモデルの視聴習慣がまだ世の中に定着していないため、当初から急激に流行るとは思っていなかったが、時間とともに着実に広がっている」(藤田氏)。
また、有名アーティストや人気DJ、音楽プロデューサーなど著名人により作成されたプレイリストの数は600万を突破したという。楽曲数は当初は100万曲からスタートし、2016年末までに1000万曲を目標に掲げていたが、すでに3倍の3000万曲に達しているそうだ。エイベックスという大手レーベルの強みを生かして、都市型フェス「ULTRA JAPAN 2016」のオフィシャルスポンサーになったり、BOOWYの楽曲を先行配信したりするなどして、競合サービスとも差別化してきた。
AWAではこれまで、プレイリスト視聴とラジオ視聴が可能な月額360円の「Liteプラン」と、オンデマンド視聴やプレイリストの作成/公開も可能な月額960円の「Standardプラン」の2プランを提供してきたが、現状は課金者のうち85%がStandardプランを選んでいるという。ラジオ型での視聴を押し出しているが、やはり好きな音楽を選べるオンデマンド再生には高いニーズがあるという。
有料会員の数は明かさなかったが、男女比率は男性55%、女性45%。また年齢は、18~24歳が31% 25~34歳が44%、35~44歳が17%となっている。有料会員の平均利用時間は1日107分で、サービス全体での邦楽と洋楽の視聴比率は邦楽63%、洋楽が37%とのこと。また、長期利用するユーザーは、「Library」で自身の好きな楽曲を聴くだけでなく、「Discovery」カテゴリなどで、新たな音楽との“出会い”を楽しむ傾向にあるそうだ。
「iTunesなどで好きな音楽は聴けるものの、自分で探すのは面倒くさいし、新たな広がりが出ない。私もAWAを聴き始めてから偏っていた趣味が雑食になった。あまり洋楽のヒップホップは聴いていなかったが、最近は(米国ヒップホップアーティストの)Nasを聴いている。その前は、ボブディラン特集に関連するプレイリストとして表示された、佐野元春ばかり聴いていた(笑)。そういう使い方がAWAっぽい」(藤田氏)。
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