MetaMoJiは11月27日、多機能なデジタルノートアプリ「GEMBA Note」のベータ版の提供を開始すると発表した。第1弾はiOS(iPad/iPhone)版だ。
ベータ版は「ウェブサイト」から申し込める。開発中のアプリを配布するサービス「TestFlight」を使用するため、Apple IDの登録アドレスが必要になる。
GEMBA Noteは、録音や図形描画機能を備え、手書き入力ができるノートアプリとして定評のある「MetaMoJi Note」をベースに開発したもの。テキストや手書き文字だけでなく、1ページに複数のPDFファイルを置いたり、カレンダーとも連携したりできるほか、表計算機能なども備えるなど、多機能を特徴とする。
PDFの資料、写真、テキスト、カレンダーといった複数のデータを1箇所で一元管理できれば、情報を俯瞰して見渡せるようになる。1週間の振り返りや、プロジェクトの計画、企画案などさまざまな用途に活用できる。
MetaMoJi 代表取締役社長の浮川和宣氏は、開発の背景について、「(交ぜ書き入力アプリ)mazecの導入企業は700社を超えた。多いところでは1社で1万数千台も使ってもらっている。はたと気づいたのは、1985~6年にできた一太郎やWordの基本アーキテクチャのようなPCの延長ではなく、新しい市場に進出していたということ。ほかに競合がないというと言い過ぎだが、従来とは違う市場にいる。どんな市場かといえば、オフィスの現場、教育の現場──というように、“○○の現場”で説明がつくのではないか」と説明した。
GENBAの開発コンセプトは(1)現場の“今”を逃さない、(2)データおよび処理のスケーラビリティ、(3)ワン・データ、マルチユース、(4)自動処理と定型処理の統合──の4点だ。
「これまでのノートアプリでは“ページ”という概念しかなかったところに“日付”を加えた。ページに自動で添付された日付を軸に、検索や入力ができる。書いた文字や写真にタグ付けすることで、“ToDo”を設定し、期限管理ができるほか、複数のカレンダーやPDFなどを重ね合わせて表示できる拡張を施した」(浮川氏)
多機能な一方で、ユーザーインターフェースはシンプルだ。人によっては、「多機能で使い勝手が悪い、と言われる可能性もある」と懸念する。そのため、インストールしたが使い方がわからないというユーザー向けに「活用勉強会」も開催する。個人向けのベータ版としては珍しい試みだ。
浮川初子専務は、「たくさんの機能をそろえているが、業務で使うのはユーザー。どういう工夫をされるか見てみたいし、ぜひ要望がほしい。ユーザーの事例を見せていただく会ができれば」と意欲的だ。
まずはビジネスパーソン向けのベータ版からスタートし、2016年第一四半期の前半に製品版を予定している。また、第一四半期の後半にも、法人向けに要望に応じた辞書の追加や機能の追加・削除などを行う法人向けのカスタマイズサービスや、Windows版のベータ版提供を開始する計画だ。
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