Beats Electronicsの共同設立者で最高経営責任者(CEO)のJimmy Iovine氏は、期待の高い自身の音楽サブスクリプションサービスを今後数カ月のうちにリリースするにあたり、AT&Tの巨大なマーケティング力の助けを借りて実行することを望んでいる。
Iovine氏はこの数週間、大手音楽レーベル数社とAT&Tの上級幹部らと協議を続けていると、この件に詳しい情報筋が明らかにした。情報筋によると、Beatsのまもなく登場する「Daisy」と呼ばれるサービスについて、大きなユーザー層を素早く獲得する手段として、AT&Tのデータプランにバンドルすることが狙いだという。
提携の可能性がある両社は詳細を詰める初期段階にあると、情報筋は述べている。交渉は物別れに終わる可能性もあれば、最終的に別の通信事業者が関わる可能性もある。そうしたバンドルが行われれば、消費者に対し、有料サービスへの移行を目的として、楽曲の無料アクセスを期間限定で提供する可能性が高いという。情報筋によると、現在検討されているのは、無料音楽をどの程度の規模で提供し、そのコストを誰が負担するのか、という点だという。
AT&Tとの合意が成立すれば、さまざまな競合企業に対抗しようとしているBeatsは強力な後押しを受けることができ、経済面で存続可能なデジタル音楽事業を作り出す上で不利な条件を払拭できるかもしれない。
Daisyは「Spotify」や、それより小規模な「Deezer」「Rdio」といったサービスと競合することになるが、同時に音楽サブスクリプション事業に新たに参入しようとしているより大手の企業にも対抗する。Googleは5月、「Google Play Music All Access」サービスを発表しており、情報筋によると、同社はYouTubeと連携したサービスにも取り組んでいるという。
音楽アーティストでプロデューサーのDr. Dre氏とともにBeatsを創設したIovine氏は、1年前から一連の交渉を続けてきた。このとき、BeatsはオンデマンドサブスクリプションサービスのMOGを買収している。MOGは確かな評価を受けていたが、大きな支持を得られなかった。Iovine氏は、そうしたMOGの技術とBeatsのブランドを結び付けることでDaisyを作り出す計画だと述べている。
Iovine氏が計画するサービスには、音楽業界が注視する新たな工夫が盛り込まれている。Daisyでは人とアルゴリズムが組み合わさって活用される予定で、Iovine氏はプレイリストを考え出すにあたり、音楽制作の深い知識と豊富な経験を持つ、アーティストやDJといった音楽会の大御所に協力を求めてきた。このサービスは、人々に音楽を選んでもらうことに大きく依存するという、最も注目度の高い音楽サービスだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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